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2016年ももうすぐお終いだな・・・なんて思っていたら、哀しいニュースが・・・
レイア姫ことキャリー・フィッシャーが亡くなってしまった・・・
レイア姫 キャリー・フィッシャー
≪スターウォーズ フォースの覚醒≫のキャリー・フィッシャー。素敵に年齢を重ねておりました。

60歳だなんてまだ若すぎる。
つい先日、≪ローグワン スターウォーズ・ストーリー≫を観たばかりだというのに。
ブリトニー・スピアーズの事故死報道が実はハッキングによる誤報だったってオチ、キャリー・フィッシャーには無いのかな。
加えて、7年前のクリスマス・イヴに遡って、≪フジファブリック≫の志村正彦さんのオチだったら尚更いいのに・・・
なんか年末って、神様がその年の理不尽な帳尻合わせでもしているんじゃないか、と思いたくなるほど哀しいニュースが唐突に飛び込んできますよね。

≪ローグワン スターウォーズ・ストーリー≫は、多くの人たちがレビューで書いているけど、ホント泣ける物語でした。
ローグワン
スピンオフ作品故の配慮か、オープニングにジョン・ウィリアムスのあの壮大なテーマ曲はなく、“あれ、あれ?”って不安感を抱いたのも実は杞憂。
テンポ良し、登場キャラ良し、感情を揺さぶるストーリー展開良し、という大満足な作品でした。
とりわけロボット好きの私としては、新キャラの≪K-2SO≫にハマりましたね。
ローグワン
どことなく古めかしいデザインのこのロボット、無骨で無愛想・・・でもこの映画の見どころを一気にかっさらう涙、涙の活躍を終盤魅せてくれます。
ローグワン
映画観賞後に速攻で購入したボトルキャップとゲーセンで苦戦、入手したフィギュア。

続々と登場するダースベーダーやスノーウォーカーなどのお馴染みキャラが往年のスターウォーズファンの涙腺を刺激します。
モフ・ターキン提督なんて、≪スターウォーズ エピソードⅣ 新たなる希望≫の名優ピーター・カッシングにクリソツな役者さんを起用しててビックリです。
≪スターウォーズ エピソードⅣ 新たなる希望≫の前日譚の≪ローグワン≫ですから、当然、レイア姫も登場します。
あの映画史を変えた名作のオープニングに繋がるラストシーンで、若き日のキャリー・フィッシャーの姿がスクリーンに映し出されたときに流したのは感動の涙だったのですが、まさか数日後に惜別の涙に変わろうとは・・・
ご冥福をお祈りいたします。

2016年を改めて振り返ると、≪シンゴジラ≫、≪ローグワン≫と、映画ファンにはたまらないシリーズ作品が相次いで公開され、いずれも高いクオリティで満足させてくれたという意味では楽しい1年でした。
私のコレクション癖に関していえば、映画コミカライズ作品の収集地獄にハマり、今年1年の猛ダッシュで≪月刊・別冊・増刊少年チャンピオン≫の≪劇画ロードショー≫掲載号36冊の収集を達成。収集2年目にして少しはコンプリートの薄明かりが見え始めたといったところでしょうか。
劇画ロードショー
加えて下半期は、映画秘宝別冊の≪悪趣味ビデオ聖書(バイブル)≫に触発され、悪趣味ビデオの収集に明け暮れる毎日。
悪趣味ビデオ聖書
漬物樽の重石に使えるほどに分厚く重い1冊≪悪趣味ビデオ聖書(バイブル)≫。

自分が生きている間にすべて観尽くすことができるのか、というほどのビデオ(それも悪趣味!)に埋もれております(笑)。
≪劇画ロードショー≫といい、≪悪趣味ビデオ≫といい、映画の裏歴史のレガシーばかりを収集し続ける私に未来はあるのでしょうか(笑)。
悪趣味ビデオ コレクション
悪趣味ビデオコレクションのほんの一部。

そんなこんなで2016年もお終い。
この1年、私のくだらないブログを読んでくれたみなさんに感謝申し上げ、みなさんの2017年のご多幸を心からお祈りいたします。











誰にでも子どもの頃に読んで、強く印象に残っている本があると思います。
私の場合、ハーメン・メルビルの≪白鯨≫がそんな一冊。
小学生の頃の私にしてみれば、文学性とかそんな評価基準は当然なくて、ただ単に、巨大な白い鯨に闘いを挑む人間の物語という、当時ハマっていた怪獣映画の延長線上にある作品として楽しんでいたに過ぎなかったように思います。
白鯨
平凡社、世界名作全集(1959年初版)の≪白鯨≫と週刊少年マガジン1968年、35号から連載された劇画版≪白鯨≫

1956年に製作されたジョン・ヒューストン監督の映画化作品≪白鯨≫は、小説を読んだほぼ同時期にテレビ放送で観たのが最初かな。
エイハブ船長を演じたグレゴリー・ペックが“大根”過ぎるとか、そのグレゴリー・ペック自身が、≪ジョーズ≫の劇中で≪白鯨≫のワンシーンを使用したいというスティーヴン・スピルバーグ監督の申し出を「あまり出来の良い作品ではないから」という理由で断ったとか、兎角ネガティヴな印象がつきまとう≪白鯨≫だけど、小学生の私には十分エキサイティングな作品でしたね。
同じくテレビ放送で観た、ジュール・ベルヌの有名小説の映画化作品≪海底二万里≫とのコンボ技で、海洋アドベンチャー、動物パニックというジャンル映画が大好物という、私の素地を作った1本じゃないかな、と。
その≪白鯨≫をハーマン・メルビルが執筆するきっかけになった実話をベースに製作されたというのが昨年公開された≪白鯨との闘い≫。
白鯨との闘い
観たくてたまらなかったクセに出不精故にタイミングを逃して劇場鑑賞が叶わなかった≪白鯨との闘い≫が先日、めでたくWOWOWで初放送。ってんで早速観ましたとも。
監督は、≪バックドラフト≫、≪アポロ13≫のロン・ハワード。
物語は、鯨油が貴重な資源だった1800年代初頭、南米大陸から3700キロメートル離れた海域で、狡猾、獰猛な白い鯨と捕鯨船が熾烈な闘いを繰り広げるアクションアドベンチャー・・・と思っていたんだけど、そんな分かり易い作品では無かったんだな、これが。
もちろん、白鯨と人間の闘いのシーンはCGを駆使したド迫力で、グレゴリー・ペックが巨大なドラム缶で作られた白鯨に跨り銛を突き立てていたジョン・ヒューストン監督版≪白鯨≫の比じゃない。もう見応え充分。んで、劇場で観なかったことを後悔・・・
白鯨との闘い
結局、主人公の一等航海士等数人は、白鯨との闘いで沈没した捕鯨船を捨て、90日間、小さなボートで大海原を漂流することになるのだけれど・・・待っていたのは、そう・・・猛烈な飢餓。
この映画、ハーマン・メルビルの新作執筆のための取材に生存者が応じるカタチで物語が展開するのですが、この生存者、なかなか自分が体験した出来事を語ろうとはしない・・・
“なにもったいぶってんだよ”とイライラするなかれ・・・語れない理由はその猛烈な飢餓状態からどうやって生還したかという部分にあるわけで、生存者には奇跡の生還を誇らしく語ることのできない理由があったというわけです。
白鯨との闘い
生きるための資源を求めて鯨の殺戮を繰り返す人間が、大自然に放り出され、やがては自らの肉体を生きるための資源として提供せざる得なくなる悲劇・・・とでもいったところでしょうか。

このての人間対動物モノの映画で重要なのは、人間の敵となる動物の描き方ですね。
ステロタイプではありますが、動物とは思えない知能の高さを演出することで、その動物の恐ろしさが一層際立つというわけです。
≪白鯨との闘い≫は実際にあった出来事というのがふれこみですが、鯨に劇中で描かれているような知的な行動が本当に出来たのかは疑問ではあります。
しかしながら、無感情な瞳で人間を計画的かつ執拗に追い回す白い鯨の存在感は圧巻でしたね。

実話ベースの人間対動物の映画で、私の大好きな作品をもうひとつ挙げるならば1996年製作、スティーヴン・ホプキンス監督の≪ゴースト&ダークネス≫です。
ゴースト&ダークネス
マイケル・ダグラスとヴァル・キルマーが主演を務めるこの作品に登場するのは、メチャクチャ頭のいいライオン。それも2頭。
このライオン、頭がいいだけではなく、ライオンの習性とは思えない残虐性・・・すなわち食するために獲物(主に人間)を殺害するのではなく、ただ殺したいから殺すというサイコキラーな性質をもっている突然変異種なわけです。
1898年、アフリカで実際にあった出来事として描かれていますが、確か過去に≪ブワナの悪魔≫というタイトルで映画化されており、≪ゴースト&ダークネス≫はそのリメイクと記憶しています。
鉄道開発事業を進めるためにアフリカを訪れたイギリスの鉄道建設技師が体験する恐怖譚なのですが、この映画に登場するライオンは本当に恐ろしい。
人間の寝込みやちょっとした隙をついて襲撃、脚をかみ砕き逃げられないようしてから皮膚を剥ぎとるなど、楽しみながら獲物を殺戮するという異常性や住み処の洞窟に散乱する夥しい数の人骨など、およそ実話とは思えない描写に背筋が凍りつきます。
ゴースト&ダークネス
テンポの良い飽きさせない展開といい、登場人物の描き方といい、凶悪なんだけど神秘性をたたえたライオンの存在感といい、実に良く出来たお話だなと思ったら、脚本はウィリアム・ゴールドマン。
≪明日に向かって撃て!≫、≪ミザリー≫、そして私のトラウマ映画の一本≪マラソンマン≫を手がけた名脚本家でした。
なお、本作で描かれたライオンの剥製は、シカゴ博物館に展示されているそうです。
ゴースト&ダークネス
映画の凶悪なイメージとはかけ離れた風貌のシカゴ博物館の“サイコキラー”ライオン。
ゴースト&ダークネス
ゴースト&ダークネス
被害者130人以上とも言われるライオン襲撃事件は、2頭のライオンの射殺で幕を閉じました。

実話ベースのこのての作品では、1764年から1767年にかけて、フランスのジョヴォーダン地方で100人以上の人間を殺害した未確認生物を描いた≪ジョヴォーダンの獣≫もお勧めです。









コミックの映画化の勢いが止まらない。
1970年代に月刊少年チャンピオン誌上などで展開されていた映画のコミカライズ(漫画化)は大好物な私だけれど、コミックの映画化にはいまひとつ食指が動かなかったりする。
映画コミカライズ 劇画ロードショー
最近熱を上げている、昭和映画コミカライズ本コレクション。
映画コミカライズ 劇画ロードショー
少しづつですが、根気よく収集中です(笑)。

小説の映画化なら、文字のみで表現されていた世界観なりをどう解釈し映像化するのか・・・それが楽しみだったりもするんですけど。
かつて大好きだったコミックが鳴り物入りで映画化され、ことごとく悲惨な結果に終わっちゃったという記憶も大きく影響してるかなぁ。
やっぱりコミックは極端な話、ペン1本で地球壊滅なんていう壮大なスケールのお話なんかも視覚的に表現できちゃうという意味では、圧倒的な費用対効果を誇るわけで、CGが進歩した昨今とは言え、ちょっと製作費をケチっちゃえば「ちゃちい」の一言で作品の本質的評価すらしてもらえない現実をみると、コミックの映画化というのは依然としてハードルが高いのかも・・・
そんなことをあれこれ思いながら、観た≪ミュージアム≫。
ミュージアム
監督は、NHK大河ドラマ≪龍馬伝≫や≪るろうに剣心≫シリーズの大友啓史さん。
主演は、主人公の刑事が小栗旬さん、猟奇殺人犯≪カエル男≫が妻夫木聡さん、そして脇を固めるのが、尾野真千子さん、松重 豊さん等という演技力には定評のある豪華な役者さんが顔を揃える話題作です。

“まずはコミックを読んでみようか”と、最近≪ミュージアム 完本≫として上下巻で発売された巴亮介さんの原作コミックを購入。
ミュージアム
巴亮介さんの漫画はこれまで読んだことがありませんが、リアルな作画と緻密な人物描写、なかなかのストーリーテラーだとお見受けいたしました。
“ヤバイ・・・面白い・・・最後まで読んじゃおうか・・・でも衝撃の結末とやらはやっぱ映画に残しとくべきだよなぁ・・・”と、あれこれ迷った挙げ句、結局、最終章≪ハッピー・バースディ≫の手前でコミックを閉じ、映画館に駆けつけたというわけです。

トレーラーなんかの印象だと、デヴィッド・フィンチャー監督の傑作サイコスリラー≪セブン≫とあまりにも似通った世界観が不安を煽る≪ミュージアム≫ですが、実は原作コミックそのものが≪セブン≫の影響下にある作品なんですよね。
誰もが、日々の生活のなかで何気に犯している他愛無い、些細な罪。
≪セブン≫には、そんな些細な罪を犯したひとをカトリック教会の≪七つの大罪≫の教理にもとづいて処刑する猟奇殺人鬼が登場しますが、≪ミュージアム≫は、「罪人の処刑は芸術活動の一環。芸術は爆発だ~!」と主張する、ダークサイドに転落した岡本太郎さんのような猟奇殺人鬼(それも≪カエル男≫!)が登場します。
ミュージアム
≪セブン≫の類似点として度々引用される始終雨の降りしきる街中の描写や人生に疲弊しやさぐれた登場人物の描写も、実はしっかりとした・・・いえいえ、物語の“要”となる理由づけがあったりして、原作を手がけた巴亮介さんは≪セブン≫の模倣犯にして、批判回避の根回しにも余念が無い、なかなかの確信犯でもありますね(笑)。

映画≪ミュージアム≫は、極めて原作コミックに忠実。演出も手堅く、気を衒うことのない堅実な刑事ドラマという印象でしたね。
原作に忠実すぎるが故、コミックで受けた衝撃を凌駕するほどの映像的インパクトは無かったかな。
ドキッ!としたり、ドキドキ・・・したりするシーンの画角がコミックと瓜二つだったりもしますし。
加えて、≪セブン≫かと思いきや、前半はリドリー・スコット監督作品にして松田優作さんの遺作となった≪ブラック・レイン≫を彷彿させたり、ジョナサン・デミ監督の≪羊たちの沈黙≫や“これってもしかして≪吸血鬼ドラキュラ≫の引用?”なんてシーンもあったりして、何やらいろいろな映画の影響下にありそうです。
ミュージアム
なんだかんだ言っても楽しめた作品だったのですが、実はいくつか残念に思えた部分もあったりします。
ひとつだけあげるならば、仕事にばかり打ち込んで家庭を顧みない夫(小栗旬さん)に愛想を尽かし、子どもとともに家を出ていくときの妻、尾野真千子さんの台詞。
原作コミックでは、「アナタ・・・・刑事としては優秀かもしれないけど、父親(おとこ)としては最低よ・・・・」だったのが、映画版では、「アナタ・・・・刑事としては優秀かもしれないけど、父親(ちちおや)としては最低よ・・・・」に変えられていたこと。
実は私、原作コミックのなかで最も背筋がゾワッとしたのがこの台詞だったんです。
仕事ばかりで子どもとの交流が欠落した亭主をいつも失望のまなざしで見つめていた妻。
父親の愛情が満足に得られない我が子を不憫に思えばこその夫婦の決別ならば“しょうがないね”となりますが・・・「アナタ、(おとこ)としては最低よ・・・・」ときた。
そうです・・・そうなんです。
仕事にばかり熱を上げて勝手に疲弊し、自分に指ひとつ触れなくなった(おとこ)としての夫に対して、妻が引導を渡したとも読み取れるのです。
父親としての資質の欠落を決別の表向きの理由としながらも、女性としてのプライドを傷つけられたことの失意を最後の言葉に選ぶ女性の奥深い心理を表現した秀逸にして恐い台詞だと思ったんですけどね。
ミュージアム
小栗さんも女性の心理に相当ビビってます。(嘘)

グラインドハウス映画発掘報告の第3回は、いま話題の≪シン・ゴジラ≫の系譜と言えそうな2本の怪獣映画と参りましょう。
1本目は1996年公開の≪ガメラ2 レギオン襲来≫です。
ガメラ2 レギオン襲来
≪ガメラ2 レギオン襲来≫のビデオソフトと公開時パンフ・・・は見つけられなかったので前作≪ガメラ 大怪獣空中決戦≫のパンフで・・・

昭和の時代に大ヒット作品を飛ばしたガメラシリーズの平成復活版の第2弾として製作されたのが本作です。
監督は、平成ガメラシリーズ第1弾≪ガメラ 大怪獣空中決戦≫に引き続き、金子修介さん。
特技監督は≪シン・ゴジラ≫の監督・特技監督を務めた樋口真嗣さん。
そして本作で最も評価すべき脚本を手がけたのは≪GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊≫や≪機動警察パトレイバー≫などの伝説的アニメ映画の脚本を手がけた伊藤和典さんです。≪シン・ゴジラ≫の総監督・脚本などを手がけた庵野秀明さんといい、アニメ映画から実写映画に進出したクリエイターがいま、卓越した構成力による脚本により日本の怪獣映画のクオリティ向上に貢献しているのは確かなようです。
ちなみに≪ガメラ2 レギオン襲来≫は、映画として初めて、この年の日本SF大賞(星雲賞映画演劇部門・メディア部門賞)を受賞したことでも話題になりました。

≪ガメラ2 レギオン襲来≫は画期的な怪獣映画として私の記憶に焼き付いているのですが、この度観直し、改めて平成の怪獣映画のすべてが≪ガメラ2 レギオン襲来≫以前・以後で括れるほどに重要な作品であることを痛感しましたね。
2014年公開のハリウッド版≪ゴジラ≫も然り・・・っていうか私には物語の展開やあの敵怪獣の造形に至るまで≪ガメラ2 レギオン襲来≫の焼き直しにしか思えないほどです。
かの≪シン・ゴジラ≫でさえ、≪ガメラ2 レギオン襲来≫を観ると、“そうか、あのリアリズムを追求した作風の元ネタはここにあったんだ”と納得してしまいます。
日本国憲法への言及や巨大不明生物出現にかかる自衛隊の対処のあり方、巨大・密集化した都市が抱える防災問題等々への考証に加え、SF映画としての堅実な科学的説得力、NTT職員や青少年科学館職員といった異例の職業を主役に据え、それぞれのキャラクターを活かした見せ場を設定するなどホント脚本が見事です。
そういえば、≪シン・ゴジラ≫の数ある名場面のなかでも特に私のお気に入りなのは、陸上自衛隊の10式戦車が高速で走行しながら遠方にいるゴジラに砲弾を連射するシーンなんですが、実はこれに似たシーンも≪ガメラ2 レギオン襲来≫にはすでにあって、飛来したガメラが地上に着地し、高速で横滑りするなか、体勢を保持しながら火炎放射を口中から連射するんです。横移動しながら攻撃を打ち出すという構図的な格好良さに両作ともに鳥肌が立ちましたね。

ガメラ2 レギオン襲来

なにはともあれ、≪ガメラ2  レギオン襲来≫は都市破壊や2大怪獣の対決といったスぺクタキュラーな見どころも満載ですが、何といってもフェミニズム全開の金子監督が主演の水野美紀さんをメチャクチャ可愛く(若い!)、その健康美に溢れた美脚を執拗に強調して撮ってくれてますので「≪シン・ゴジラ≫、面白かったけどお色気がちょっと足りなかったね・・・」って方には尚更お勧めかなと(笑)。
ガメラ2 レギオン襲来
今のオジサンキャラのお姉さんが信じられないほどにチャーミングな水野美紀さん。

≪シン・ゴジラ≫の流れを汲むもう1本は2001年公開の≪ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃≫です。
ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃
実はこれもまた、≪ガメラ2 レギオン襲来≫同様、金子監督の作品です。
こうしてみると、やっぱり金子修介監督は、平成の怪獣映画を語るうえで避けて通ることはできないかな、と。
≪ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃≫は、1954年の初代ゴジラの出現以降、日本には怪獣の出現がないまま50年が経過し、日本の防衛組織として≪防衛隊≫が存在する仮想日本を舞台にしています。
本作の3年前の1998年に公開されたハリウッド版≪ゴジラ≫に映画冒頭で言及するシーンがありますが、そのセリフが笑える。
「先頃、米国に出現したのがゴジラだとは日本の学者は認めておりません」って・・・「学者」の部分をいろいろと入れ替えてみたくはなりますが(苦笑)。
≪ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃≫のゴジラは、太平洋戦争戦死者の残存思念の集合体、破壊の“神”として描かれています。そしてそのゴジラと対決するバラゴン、キングギドラ、モスラは日本(と言っても国ではなく、自然環境らしい)を護る神話上の護国怪獣として描かれています。
数あるゴジラ映画のなかでもとりわけ初代ゴジラを意識して製作されたといえる本作は、初代ゴジラでも意識的に描かれていた、怪獣という災いによって命を失う人間の姿が、再び執拗に描かれたという点でも少しばかり他作品とは異質なゴジラ映画と言えます。
ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃
山の頂上から見切るゴジラもまた、初代ゴジラのモチーフ?

そういえば≪シン・ゴジラ≫は都市破壊を徹底的なリアリティで描きながらも、それによって人の命が失われる直接的表現が意外なほどに少ないのが印象的でした。
≪シン・ゴジラ≫が、あの≪3.11≫をモチーフにしており、あの日起こった数々の悲劇の再現的映像で構成される作品である以上、人の死というリアリティはあえて避けるべきとの配慮や製作方針があったのかも知れませんね。
ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃

≪ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃≫の特徴と言えるのは、ゴジラの放射熱線によって沸き上がるキノコ雲や特攻精神でゴジラ退治に臨む防衛隊員など、多分に初代ゴジラのモチーフを踏襲しメッセージ性を打ち出そうとしている点かな。
・・・が、その割には放射能汚染にかかる描写に真摯さを欠き、やたらと“防人”の使命に執心する宇崎竜童演ずる准将が物語の流れのなかで空回りしてる感が否めませんが・・・
女優を撮らせたら天下一品(笑)の金子監督も本作主演の新山千春さんにはあまり魅力を感じなかったのでしょうか・・・ガメラシリーズの中山忍さんや水野美紀さん等はとても良かったのに新山千春さんはあまり魅力的に描けてなかったように思えます。
青森市出身の女優さんがゴジラ映画初主演というので、喜び勇んで映画館に駆けつけたのもいまとなっては良い思い出ですけど。
本作の≪シン・ゴジラ≫への系譜を語るならば、まずは恐怖感を強調したゴジラの造形ですね。
造型師の品田冬樹さんが手がけた本作のゴジラは白眼のため表情がなく、ただひたすら不気味。観客の一切の感情移入を拒絶し“破壊神”として君臨するゴジラの造型に拘ったという点でも、≪シン・ゴジラ≫に近いコンセプトで作られたゴジラと言えるのではないでしょうか。
また、倒したと思われたゴジラの細胞が再び静かに息づき始めるという、続編を予感させるラストカットも両作品に共通するところかな。
本作もやはり憲法や自国の防衛論、日米安保条約などに言及した、当時の世相を踏まえた作品ですし、先述のことばを引用するならば≪ガメラ2 レギオン襲来≫以降の怪獣映画と言えます。

平成のリアリティ重視の二つの怪獣映画を今回見比べてみたのですが、どちらも同じ監督なのに、ゴジラシリーズはリアリティを重視したシリアスな作風とは言え、少しばかりチャイルディッシュな印象は否めず、ガメラシリーズは大人の鑑賞にも十分に耐えうる作品作りのために徹底したリサーチ、検証作業に時間を費やして製作された、という印象を受けました。
もともとターゲットとする観客層が違うのでしょうね。
子どもの観客動員を強く意識した≪ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃≫の興行収益は27億1千万円。
対して大人の鑑賞に耐えうる作品を目指したであろう≪ガメラ2 レギオン襲来≫の興行収益は僅か7億円・・・
この数字をみても、子どもよりも大人が楽しめる作品として徹底的なリアリズムに徹し、重厚な人間ドラマを縦軸として製作された≪シン・ゴジラ≫の興行収益が60億円超えというのはホント奇跡的なことなんだと思います。



思えば、≪ゴジラ≫映画は、その新作が公開されるたびに期待に胸膨らませて劇場に駆けつけ、観賞後はチョットばかり微妙な感情を抱いて劇場を後にしたものでした。
ハリウッドが巨額の製作費を投じて製作した2本の作品も然り。
“面白かったけど、なんかなぁ~”
胸のなかに燻ぶる違和感。
“オレが観たかったのはゴジラ対人類の英知。初代≪ゴジラ≫の現代版なんだけどなぁ・・・”

恐らく、私と同じものを≪ゴジラ≫映画に求めていたひとは≪シン・ゴジラ≫を存分に楽しめるんじゃないでしょうか。
≪シン・ゴジラ≫はまさに、巨大不明生物≪ゴジラ≫対人類の英知を描いた作品ですから。

脚本も手がけた庵野秀明総監督は、1954年公開の初代≪ゴジラ≫へのリスペクトを踏まえつつ、極めて近代的なゴジラ映画を製作してくれたと思います。
巨大不明生物の出現とともに、スマートフォンで個人撮影されたPOV映像がネットやSNSを飛び交うなど、公的な監視システムを上回る質量をもって、情報が瞬く間に社会に拡散していく様など、昨今主流のモキュメンタリーの手法を踏まえつつ臨場感たっぷりに描いてみせてくれたりもします。
シン・ゴジラ
そして何よりこの映画、巨大不明生物出現にかかる防衛策に四苦八苦する政府の描写がずば抜けて面白い!
≪ゴジラ≫映画ではありますが、かつて原田眞人監督が映画化した≪クライマーズ・ハイ≫にも似た会話を主とした群像劇でもあるのです。
観客にその語彙の意味を解釈する間も与えないくらい、まさに“立て板に水”のやりとりを展開する官僚たちの目まぐるしさと、野村萬斎さんがモーションキャプチャーしたという≪ゴジラ≫の重厚な動きの対比が作品に緩急のリズムを与えていることも確かです。
シン・ゴジラ
エンドクレジットに野村萬斎さんの名前を見つけたときはまさか≪ゴジラ≫を演じてたとは知りませんでした。

私は≪エヴァンゲリオン≫にはハマらなかったので、庵野さんの作風というのは今一つ分からないのですが、会話に重きを置いた演出やところどころに文字が大写しになる手法、そして独特なリズムを擁する編集なんかは恐らく庵野さんの持ち味なんでしょうね。もしそうならば、≪シン・ゴジラ≫は、ハリウッド製作のものも含めてこれまでの≪ゴジラ≫映画とはまったくニュアンスが異なることからも、まさに庵野秀明さんの作品を愛するひとたちにはたまらん作品なのではないでしょうか。
とは言うものの、本文冒頭でも書きましたが、本作は初代≪ゴジラ≫へのリスペクトを忘れていない完全無欠の≪ゴジラ≫映画でもありますので、ゴジラ映画ファンにとっても十分たまらん作品だと思います。
オープニングタイトルは1954年公開版≪ゴジラ≫と一緒だし、要所要所で伊福部昭作曲のゴジラ映画のテーマ曲が流れ、身を引き締めてくれますし(笑)。大好きな≪伊福部マーチ≫が流れるシーンでは“ここで流すか!?”と感動で身体が震えましたね。
シン・ゴジラ
私が≪シン・ゴジラ≫を観て感じたのは、シリアスな映画だけど世相的なブラックユーモアを擁した作品だな、ということ。
ゴジラ対策本部のメンバーがオタク気質でアウトサイダーな面々で編成されてたり、石原さとみさん演ずる米国大統領特使や余貴美子さん演ずる防衛大臣、市川実日子さん演ずる環境省職員などの女性登場人物の方が決断力に乏しい男性官僚よりも魅力的に描かれてたり、思わず吹き出しちゃうような描写が随所に散りばめられています。
そういえばゴジラが初めて姿を現し、東京都大田区を進行するシーンなんかも“え?何これ・・・”と唖然としちゃいましたが・・・(おっと、ネタばれ注意)

長谷川博己さん等俳優陣の緊張感漲る演技はもちろんのこと、張り巡らされた鉄道など東京都の都市機能を活かしたゴジラへの攻撃方法やシン・ゴジラの圧倒的(!)な攻撃能力、自衛隊の陸空兵器との攻防戦などなどスペクタキュラーな見どころも満載な≪シン・ゴジラ≫は、世界に誇れるクオリティーのゴジラ映画であり、私が待ち望んでいたゴジラ映画でしたね。
エンドクレジットまでしっかりと楽しんだ私は最高に高揚した気分で≪伊福部マーチ≫を口ずさみながら映画館を後にしました(笑)。
シン・ゴジラ
劇場限定フィギュア(クリアレッドヴァージョン)、パンフレット

最後にひとつ言わせてもらうならば・・・
クライマックスのゴジラ撃退法を「アリ」とするか「ナシ」とするか・・・≪シン・ゴジラ≫の評価は意外とその辺にあったりするんじゃないでしょうか・・・私は初代≪ゴジラ≫を倒した≪オキシジェン・デストロイヤー≫へのリスペクトと受け止め「アリ」でしたが・・・ね。(おっと、ネタばれ注意)



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