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私が多感な時期をおくった昭和40年、50年代というのは、今想えばとても不思議な時代だったように思います。
戦後20年以上が経過していましたが、親、学校の先生はもとより、社会を支える主な世代層は戦争経験者でしたので、高度成長期を迎え、社会が大きく変化したなかでも戦前・戦中の思想や価値観がちょっとした弾みで見え隠れする・・・なんかそんな時代だったように思います。
加えて、世の中が豊かになり、メディアの発展とともにさまざまな情報が巷に溢れだすと、それまでのタガが外れたように、子どもに向けて発信される情報の取捨選択も曖昧になったんじゃないでしょうか。
“売れるんだったら子どもだろうがなんだろうが売っちまえ”とでも言わんばかりに、暴力的・猟奇的なものが子ども向けのテレビ番組や雑誌なんかでも表現され始めたのは正にこの頃からだったように思います。
今回は、そんな時代を象徴するものをいくつかご覧いただきましょう。

まずは少年向けのまんが誌≪少年チャンピオン≫の昭和46年5月24日号です。
少年チャンピオン
当時の連載まんがは、一峰大二さんの≪宇宙猿人ゴリ≫や手塚治虫さんの≪アラバスター≫など。
その巻頭特集がなんと≪武士道≫。
少年チャンピオン
切腹の作法や三島由紀夫さんの切腹事件を写真入りで特集しています。
少年チャンピオン
そしてこの特集は次のように結ばれています。

“たとえば、きみが学校の成績がどうしてもよくないとする。(中略)ただし、先生におべっかを使ってまで、いい点をとりたいとは思わないだろう。それは男として恥ずべきことだと思うだろう。(中略)70年代はますます科学の時代になり、これからの諸君の生活に多くの変化が忍び寄ってくるとき、諸君はいまこそ諸君の「武士道」を早く見つけ、おおしく生きていかなければならない”

・・・なんか道徳の授業のようですね(笑)。

当時は、学生紛争が盛んで、≪カムイ外伝≫や≪あしたのジョー≫など、学生の思想や行動理念に大きな影響を与えたまんがも少なくありません。
泥沼化するベトナム戦争を背景に、既成の価値観を否定するアメリカンニューシネマが産声をあげたように、日本でも“これって子どもには過激すぎない・・・?”ってなまんがが数多く誕生します。
私の精神面に大きな影響を与えたまんがのひとつに≪荒野の少年イサム≫があります。
荒野の少年イサム
西部開拓時代のアメリカに渡米した日本人の少年が、極悪人の三兄弟に育てられながらも正義を貫き、最後には、育ての親の三兄弟と対決する物語なんですが、悪人はもちろん、誠実に生きている登場人物もことごとく悲惨に死んでいく・・・子供心に“なんて哀しい物語なんだろう・・・”と溜息をつきながらも夢中で読んでいた記憶があります(笑)。
誰しもがアメリカ文化に憧れていた時代でしたから、銃社会のアメリカさえ刺激的だったのかも知れませんね。
拳銃画報
この時代、私を震え上がらせたのが梅図かずおさんの一連の恐怖まんがです。
梅図かずお マンガ
特に≪のろいの館≫のタマミちゃんの恐さは、当時小学生の私には強烈すぎました。
近年話題になったホラー映画≪エスター≫を観たときに、タマミちゃんを思い出したのは私だけでしょうか?

恐らくは、テレビや一眼レフカメラが家庭に普及したせいでしょうか。
映像や写真が持つ神秘性やこれら媒体による記録保存に対する過信などが心霊写真などの神秘主義を助長します。
出版界でも神秘主義は大ブーム。
心霊評論家の中岡俊哉さんなどの著作物が子どもたちを震え上がらせました。
UFO 幽霊
いまのようにCG加工なんて出来なかった時代・・・
心霊写真
心霊写真はやっぱこの時代のものが一番恐いです。

子どもたちを夢中にさせた特撮ヒーローや怪獣、海外SFものなどのMOOKが数多く出版されたのもこの時代。
夢中になってこれらMOOKを読んでいると、突如、来るべき未来が不安になるようなディストピア映画の紹介が・・・
SF探検
ジョージ・オーウェルの≪1984≫やリチャード・フライシャー監督の≪ソイレント・グリーン≫、レイ・ブラットベリの≪華氏451度≫の世界観なんて子どもには理解できんって・・・未来がたちまち暗黒に・・・(笑)。

こんな子ども向けのMOOKでさえ、トラウマになりそうな内容がたくさん。
昭和 少年誌
秋田書店発行の≪怪奇大全科≫のページを開くと・・・
昭和 少年誌
≪悪魔のいけにえ≫や≪悪魔の沼≫といったトビー・フーパー監督の猟奇作品や・・・
昭和 少年誌
トラウマ映画の代表作≪吸血の群れ≫や≪スクワーム≫(画像は自主規制いたしました(笑))などなど・・・一度みたら頭から離れないような衝撃写真が続々と!

ホント、昭和の時代は子どもだって容赦しませんね(笑)。









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