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マーベルにしろDCにしろアメリカンコミックの映画化作品には食傷気味の私。
アベンジャーズシリーズも、数多のヒーローが集結し物語が壮大になるにつれ気持ちも萎えちゃって・・・近頃はすっかりごぶさたなわけです(笑)。
そんな私ですが、現在公開中の≪ジョーカー≫には、何か一連のアメリカンコミックスの映画化作品とは異質なものを感じ、早々と劇場に足を運んだというわけ。
ジョーカー
数多の芸能人、著名人等がそのクオリティーを絶賛する一方で、現実社会における犯罪助長の影響力が懸念された≪ジョーカー≫ですが・・・・確かに。素晴らしいクオリティー。そして凄まじい作品でした。
言うまでも無く≪ジョーカー≫は、≪バットマン≫シリーズのスピンオフ作品ですので、後にバットマンとしてゴッサムシティの治安を守る(幼少時の)ブルース・ウェインとの邂逅や、バットマン(=ウェイン家)に対する宿痾(しゅくあ)とも言える憎悪に言及しますが、そんな辻褄合わせがどうでも良くなるほどに自立し、完結した優れた作品だと感じました。
本作の映画評なんかでは、もともとは善良で小心者の大道芸人アーサーフレックが犯罪に手を染めざる得なくなったその悲劇性が強調されているようですが、私は寧ろ、たび重なる不運の連鎖を糧に稀代の犯罪者としての資質に開眼していくという19世紀イタリアの犯罪人類学者ロンブローゾが提唱した≪生来性犯罪者説≫とか、“親殺し”により成立する、アイデンティティや未来への指針といったフロイトが提唱したエディプスコンプレックスなど、時代錯誤故に妙に禍々しく背筋を逆なでする“引用”にしてやられた感がありましたね。
ネタバレになるから多くは書けませんが、間違いなく本作はバイオレンス映画の名作≪タクシードライバー≫の影響下にあり、監督のトッド・フィリップスは、(本作のクライマックスでもある)ロバート・デ・ニーロ(トラヴィス)とホアキン・フェニックス(アーサー)が対峙するシーンが撮りたくて堪らなかったんじゃないでしょうか(笑)。
そしてそのシーンで描かれるトラヴィスとアーサーのダークヒーロー(世代)交代劇に、監督自身のエディプスコンプレックスを読み取るのは深読みし過ぎなのかな。
にしても、その表現手法の秀逸さに思わず唸っちゃったのがエンディングですね。
収監された精神病棟内を逃げ回るジョーカーを看守が追いまわすシーン。
まるでスラップスティツクコメディーのようにバタバタと廊下を右往左往するジョーカーと看守の姿は、まるで≪トム&ジェリー≫。
『人生は悲劇?それとも喜劇?』
その自問自答に確固たる回答を得たジョーカーを体現した秀逸なエンディングだったと思います。

今月は、もう一作品。
クエンティン・タランティーノ監督の≪ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド≫も観ました。
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
≪ジョーカー≫に負けず劣らず・・・っていうか、あちらは登場人物の妄想劇でしたが、こちらは監督自身の妄想がてんこ盛りの作品(笑)でした。
にしても、タランティーノらしくないと言うか・・・やたらと理屈っぽく簡単に投げ飛ばされるブルース・リーや愚痴をこぼしてばっかりのスティーブ・マックイーンなんて、以前のタラちゃんだったら決して描かなかったような・・・何があったタラちゃん!
『映画って本来“神の視点(三人称)”で描かれるものじゃん。だから監督って神様そのものじゃん』って思ったかどうかはともかく、猟奇犯罪によって非業の死を遂げたシャロン・テートの命も救っちゃうタラちゃんの“上から目線”がなんか気になる作品ではありました。

映画の話題はここまで。
最近、読んだ本でお勧めなのはこの三冊。
蔵書
ムック≪危険な読書≫は、≪ブルータス≫の特別編集号で、様々な視点による書籍紹介がされていて書籍マニアにはお勧めの一冊。
≪孤客≫は以前、本ブログで紹介した怪奇幻想まんが≪人間時計≫の作者、徳南晴一郎氏の自伝本。生真面目を超越した偏執性に恐れを抱きながらも妙な感動が・・・
≪みちのくの人形たち≫は映画化された≪楢山節考≫の原作者、深沢七郎の短編集で、表題作は東北の寒村に伝わる風習が哀しく恐ろしい。

最後は、以前から欲しくてたまらなかったクロニクル社の≪ケイン≫。
ケイン
≪ケイン≫は、SFバイオレンス映画≪ロボコップ2≫に登場するロボットで、これまでに立体化された商品としては、ガレージキットと食玩のみ。
劇中の≪ケイン≫を造形、モデルアニメートしたフィル・ティペットの監修により、数年前、米国クロニクル社が決定版ともいえるフィギュアを発売しましたが、高額に加えて世界限定1000体故に入手は諦めていました。
それがこの度、ご縁があり、正規販売価格よりは相当安価で我が家に。
当初期待した金属製ではなかったのが残念ですが、重量感、存在感ともに申し分無く、台座にはフィル・ティペットのサインが。
家宝として珍重したい逸品です。








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