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新元号の≪令和≫の典拠、≪万葉集≫が売れまくっているようですね。
どこの本屋さんも売れ切れ状態とのことで、元号改定による経済効果が新刊書店に波及していることは嬉しい限りです。
と言うのも、あおもりではつい先ごろ、数少ない大手新刊書店≪紀伊國屋≫の弘前店が今年5月6日で閉店するという衝撃的なニュースが駆け巡ったばかり。
常日頃、“本屋(新刊本・古本)、映画館、CD(レコード)ショップの無い街には住めない”と豪語(笑)している私なんかは、劣悪化の一途を辿るあおもりのサブカルチャー事情に懸念を深めているわけです。
かく言う私も最近は、新刊本より古本の購入比率が高く、≪紀伊國屋≫のあおもり撤退の責任の一端を痛感している次第。
「客ひとりの売上なんかたかが知れているんだから、そんなことに責任感じなくても・・・」なんてことを言うひともいますが、選挙の投票と一緒で、「自分ひとりの影響力なんて・・・」とは思いたくない、少しばかりクソ真面目でウザったい≪昭和≫生まれの性分の私なのであります。(泣)

確かに、電子図書なんかのコンテンツが一般化した昨今では、印刷物として流通する書籍は時代錯誤的でスマートじゃないのかも知れませんね。
でも、もうすぐ終焉を迎えようとしている≪平成≫以前の時代では、書籍は印刷物としての個性を主張することで人々の生活に寄り添い彩りを与えてきたことも事実だし、何ならクリエイターの創意工夫による“印刷物だからこそ可能な表現形態”を私たちは楽しんできたようにも思えます。
確かにテクノロジーの進歩によってもたらされる合理性とか効率性といった要素は避けがたい時代の潮流として受け入れざるを得ませんが、それによって失われつつある旧時代的な文化様式に思いを馳せ、その存在意義を改めて検証することも大切なように思えるのですが・・・

そんな思いもあって、今回のテーマは書籍収集のススメ。
まだまだ“ひよっこ”な書籍収集家の私ですが、奇々怪々な書籍コレクターの世界をお伝えいたしましょう。

書籍収集の世界は多分に細分化されていると言われています。
例えば文芸書の収集家と一概に言っても、収集の対象を時代や作家など、かなり狭めた範囲に限定して収集しているひとが多いようです。
ものの本によれば、≪明治≫時代の文芸書のコレクターは、≪大正≫時代以降の同種コレクターを軽視しているきらいがあり、その収集世界も独特の競争原理が働いていて、シロウトが簡単に入り込めるようなものではないとのこと・・・あな恐ろしや・・・
そういう意味で、私なんかは取り立てて拘りなんかとは無縁な“ノンポリ(ノンポリシーの意味)”コレクターと言えます。
子どもの頃に欲しくても買えなかったジュヴナイルや児童書、大好きな作家の初版本、主に≪昭和≫の時代のサブカルチャー(映画、音楽等々)関連の書籍なんかを闇雲に収集しているといったところでしょうか。

書籍コレクターの世界で特に興味深いのが奇書・怪書コレクターってやつですね。
奇書・怪書というのは、先述した“印刷物だからこそ可能な表現形態”が暴走した出版物(笑)という要素も含めて、作品の世界観やらが常識では測り難い・・・すなわちぶっ飛んでいる書籍を指します。
奇書・怪書コレクターの多くが血眼になって探している代表的な書籍が、栗田 信の≪醗酵人間≫でしょう。
醗酵人間
どうです?・・・このオドロオドロシイ装丁・・・
昭和33年に出版され、戦後最大のSF怪作と言われる≪醗酵人間≫はまずもって中古市場に出回ることはなく、以前、ヤフーオークションに出品されたときには、40万円で落札されたというシロモノ。
私も生きている間に一度は現物を目にしてみたいと思っていますが、恐らく無理でしょうね。(笑)
なお≪醗酵人間≫は近年、≪ミステリ珍本全集≫の一冊として戎光祥出版から再版され、こちらは私も所有していますが、どうせなら、装丁も含めて復刻して欲しかった・・・装丁ありきの≪醗酵人間≫なんですから。
醗酵人間
≪ミステリ珍本全集 醗酵人間≫と≪醗酵人間≫の再評価に貢献した名著≪SF奇書天外≫。

以前、本ブログでも紹介した寺山修司の≪地獄篇 限定版≫は、蝋燭・火縄・押し花・粟津潔の木版画が封入された異色の出版(印刷)物。代表的な奇書と言えます。
寺山修司

他にも変わりダネの書籍としては・・・ちょっとスケベなこの2冊(笑)。
奇書
≪アカリ号の実験≫という書籍は、“男女11人が孤立した船上で生活したらどうなる・・・?”というノンフィクションものなんですが、エロさを期待したらガッカリしちゃう内容です。
≪あたしのプーペ≫は何てことの無いエロ小説なんですが、数枚のイラストカードと赤いセロファンが付録になっています。このセロファンをイラストカードに重ねると見えなかったものが見えるというトリックアート的大人の世界が・・・
奇書
恐らくは、グラビア雑誌の“袋とじ”企画の元ネタかと・・・(違うか・・・)。

ちょっと真面目路線に軌道修正!
この2冊は、かつて早川書房から出版されたもので、画像右側の≪地獄の家≫は、1970年代のオカルト映画ブームを≪エクソシスト≫とともに牽引した≪ヘルハウス≫の原作本でもあります。
奇書
この2冊の共通点は、物語の後半部分が、正に“袋とじ”になっていて、この“袋とじ”を開かずに書店に返品すればお代はお返しいたします、というストーリーテリングに絶対の自信を持つ作品故の企画モノというわけです。
奇書
≪デラニーの悪霊≫の赤い“袋とじ”部分は未開封のまま・・・ということは返品されたものなんでしょうか?

ここからは、内容がぶっ飛んでいる故に奇書と言われているものを中心に。
特に有名なのがこの2作品。≪家畜人ヤプー≫と≪怪談 人間時計≫。
≪家畜人ヤプー≫は、かの三島由紀夫も絶賛したという沼正三の長編SF・SM小説。
奇書
≪怪談 人間時計≫は徳南晴一郎のカルト漫画で独特な世界観が衝撃的です。
人間時計
≪昭和≫の時代には、異色の漫画作品が溢れていましたね。特にムロタニ・ツネ象の≪地獄くん≫は、当時、小学生だった私には耐えられない恐さがありました。
昭和 漫画
耐えられない恐さと言えば、心霊写真をはじめ、UMA(未確認生物)や死後の世界まで幅広いジャンルで、当時の子どもたちを脅かし続けた中岡俊哉氏関連の出版物に触れないわけにはいきません。昭和42年に出版された≪世界の怪獣≫なんかは、宇宙から飛来した怪獣まで実話として紹介されてて相当に胡散臭かったのですが(笑)。
奇書
丸尾末広の一連の漫画はいま読み返しても不穏な気持ちにさせられる奇書と言えます。
独特の画風や世界観はエロチックで猟奇的。とりわけ江戸川乱歩の≪パノラマ島綺譚≫の劇画化作品は、石井輝男監督が昭和44年に映像化した乱歩作品≪恐怖奇形人間≫と対をなす怪作です。
奇書
奇書とは言えませんが、林静一の≪赤色エレジー≫は、映画的手法を漫画に取り入れた画期的な作品ですね。
赤色エレジー
林静一の≪赤色エレジー≫とあがた森魚の楽曲≪赤色エレジー≫のアナログシングル盤。
赤色エレジー
內田百閒の短編集≪冥途≫(芝書店版)と、代表作≪冥途≫を絵本化した書籍。
幻想的な金井田 英津子の挿絵が印象的で、印刷物としての書籍の素晴らしさを再認識させてくれる一冊です。
冥途
冥途

最後に奇書というより珍品を。
虹男
≪虹男≫は、昭和24年に大映が映画化したスリラー映画の原作本で、映画公開の2年前に矢貴書店から出版されました。
≪火星人との戦争≫は、なんと、昭和16年に出版されたHGウエルズの≪宇宙戦争≫の別タイトル版。
恐らくは、ジョージ・パルの映画化作品が昭和28年に日本公開されたのを機に、≪宇宙戦争≫というタイトルが定着したのでしょうね。
言うまでもなく≪宇宙戦争≫はスピルバーグも映画化した異星人侵略SF小説の最高傑作です。
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