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前回、新作映画のロードショー公開にタイミングを合わせて発表されたコミカライズ作品群を《劇画(あるいは誌上)ロードショー》作品、それ以外を《名作映画コミカライズ》作品に分類させていただきました。
映画のコミカライズ作品が普及した背景には、1954年(昭和29年)公開の《ゴジラ》に端を発する怪獣映画ブームがあったことも書かせていただきました。
というわけで今回は、《名作映画コミカライズ》洋画編です

■洋画が続々とコミカライズ!

映画作品のコミカライズは、怪獣映画ブームの中で子どもたちの支持を獲得する一方で、主にアクション、SF、スペクタクルといった視覚的ダイナミズムを持ち味とする洋画作品にも着手。子どものみならず大人をも巻き込んだ新しい漫画作品の“カタチ”として定着していきます。
壮大が過ぎる世界観や現実離れしたアクションなど、何かと“過ぎる”映画を“漫画のような・・・”と形容するように、漫画はとても自由度の高い視覚表現を可能とする媒体。そのポテンシャルを考えると、やはり前述のような映画作品でこそ本領発揮なのでしょうね。
漫画家さんは、名作・大作映画を己の技能を駆使して漫画化することに新鮮な創作意欲を刺激されただろうし、漫画読者の多くは映画作品のコミカライズということよりも、純粋に漫画の一作品として評価し楽しんでいたんじゃないでしょうか。加えて映画ファンにしてみれば、お気に入りの映画を映像ソフトやなんかで所有することが叶わなかった時代ですから、コミカライズ作品で所有することができるというのも魅力だったと思います。事実、子どもの頃の私もそうでしたから。
いずれにしても1960年代に入ると、映画のコミカライズは少年漫画雑誌の定番企画として掲載されたり、付録になったり。なかには単行本として独り立ち(?)するツワモノまで登場します。
それでは、そんな作品群のほんの一部を。

1967年(昭和42年)8月発行の《少年現代》では、ジュリアーノ・ジェンマの主演作《続さすらいの一匹狼》のコミカライズが付録本として発表されています。
映画コミカライズ
《まんだらけZENBU》より

ジュリアーノ・ジェンマは当時とても人気の高かったマカロニウェスタン(イタリア製ウェスタン)俳優で、日本ではあまりの人気の高さに《ジェンマ》という名のオートバイが発売されたほどです。そんなジュリアーノ・ジェンマの人気にあやかってのコミカライズと思いますが、当時のウェスタン映画ブームを反映したものでもあるでしょう。

同じ1967年12月発行の《まんが王》特大号には、名優ジョン・ウェイン監督・主演映画《アラモ》のコミカライズ本が付録に。
映画コミカライズ
《アラモ》は、1836年、テキサス独立戦争の有名な戦史《アラモ砦の戦い》を描いた歴史スペクタクル映画で、1960年12月に日本公開されました。
メキシコの独裁政治に反抗したジョン・ウェイン演ずるディビー・クロケット率いる義勇軍とメキシコ軍の戦いを描いた本作は、内容を簡略化してコミカライズしているものの、少しお堅い内容。果たして子どもにどこまで受け入れられたのかは疑問です(笑)。
映画コミカライズ
映画コミカライズ
コミカライズを手がけたのは岸本おさむさんです。

1969年(昭和44年)、《まんが王》夏休み大増刊号には、特撮の神様レイ・ハリーハウゼンがモデルアニメーションを務めた《恐竜グワンジ》のコミカライズ作品が掲載されました。
作画は鈴木勝利さん、成田マキホさんの共作となっています。
映画コミカライズ
《まんだらけZENBU》より

先頃《ジュラシックワールド》を観て、改めて自分の恐竜好きを再認識した私としては、ぜひ入手して読んでみたい一作ですね(笑)。
因みに《アラモ》、《恐竜グワンジ》が掲載された《まんが王》の出版元は秋田書店・・・そうです1970年代に《月刊少年チャンピオン》などの漫画誌で《劇画ロードショー》と銘打ちコミカライズ作品を掲載し続けた出版社です。

史劇スペクタクル映画の不朽の名作といえば、チャールトン・ヘストン主演の《ベン・ハー》です。
さすが名作。《ベン・ハー》には複数のコミカライズが存在します。
単行本としては、1985(昭和60年)年に《女子パウロ会》発刊、角田照雄さんが作画を手がけた上下巻のものと1960年(昭和35年)に《トモブック社》が発行、小坂靖博さんが作画を手がけたものがあります。
ただし厳密にいえば、前者の《女子パウロ会》発行のものは、映画のコミカライズというよりは、ルー・ウォーレスの原作のコミカライズ。
映画コミカライズ
上下巻というボリュウムを活かして丹念に物語を描いており、好感の持てる一冊です。

後者の《トモブック社》の《ベン・ハー》は、1960年4月1日に日本公開されたウィリアム・ワイラー監督、チャールトン・ヘストン主演のリメイク版《ベン・ハー》のコミカライズ作品です。
映画コミカライズ
《ベン・ハー》リバイバル公開時(昭和43年)のパンフレットと《トモブック社》の《ベン・ハー》。

本書の発行は同年5月15日ですので、日本公開から1カ月後に発表されたことになります。
長編映画をとても簡潔にまとめてありますが、クライマックスの戦車レースは意外なほどにあっさりと描かれており、少し物足りなさも・・・
映画コミカライズ
映画コミカライズ
映画コミカライズ
《トモブック社》は、1950年から1960年代にかけて絵本や漫画などの児童書を数多く出版し、映画のコミカライズにも積極的に取り組んできた出版社。
浅丘ルリ子さん主演のスリラー《緑はるかに》という邦画のコミカライズ作品を1955年に発表したのを皮切りに、映画コミカライズ作品のシリーズ化を企画したようですが、残念ながら叶わなかったようです。
《トモブック社》の《ベン・ハー》は、同社が1960年代の初めに倒産したと思われることからも再販の可能性が極めて低く入手困難な1冊。公共施設では道立図書館に蔵書されていることが唯一確認されているそうです。(参考文献:《まんだらけZENBU No66(2014年発行)》
                                                                           (つづく)

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jジュラシックワールド

ブログと関係なくてスイマセン。
本日I-MAX…3Dでジュラシックワールドを観てきました。内容はワンパターンのストーリー。
でもラストはちょっとしたひねりが聴いたおちでした。

2015/08/23(Sun) |URL|DJトミー [edit]
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