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いま楽しみな映画といえば、中島哲也監督の最新作≪来る≫かな。
来る
かの≪リング≫をも超えた最恐ホラー小説の映画化というふれこみで話題の映画ですね。
私自身、ホラー小説・・・というより怪奇・幻想小説は大好きなのですが、もっぱら、岡本綺堂や遠藤周作などの少しばかり古い時代の作品にばかり傾倒していて、最近の作品にはとんと疎く、この映画の原作小説のことも全く知りませんでした。
岡本綺堂
岡本綺堂は明治から昭和にかけて活躍した小説家で、数多くの優れた怪談作品を手がけています。
現在怪奇小説集
遠藤周作、山田風太郎、柴田錬三郎などの作家の作品を収録した≪現代怪奇小説集≫。

映画版≪来る≫も、“なんか変なタイトルの映画だな・・・”くらいにしか思っていなかったんですが、先日、テレビで放送された映画公開記念特番やトレーラーなんかを観て、一気に期待が高まったわけです。
それにしても、中島哲也監督といえば、≪下妻物語≫や≪渇き≫、≪告白≫など、独特な映像表現が特徴的な映像作家ですが、イメージ的にはあまりホラーとは結びつきませんね。
人気コミック≪進撃の巨人≫の映画化のときにも監督として名前があがりましたが、結局実現せず、このての娯楽作品には関心の無い方なのかな、と。
まあ、そんな様々な疑問もあって、この映画の原作小説≪ぼぎわんが、来る≫を読み始めたわけです。
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文庫版(映画公開記念仕様版)の≪ぼぎわんが、来る≫は、劇中で松たか子さんが演ずる霊媒師、比賀琴子の名刺風栞付(笑)

いま、3分の2ほど、読み終えたのですが、ちょっと後悔してます。
これは、映画が先だったな・・・まずは映画を観てから、原作を読むべきだったな、と。
原作、面白いです。・・・で、メチャクチャ恐いです。
優れたホラー小説というのは、ページを開くとすぐに何とも形容しがた不穏な気配を放ち、“あ・・・この小説、ヤバいかも・・・”と読者に覚悟を強いるチカラがあるように思えます。
鈴木光司さんの≪リング≫や貴志祐介さんの≪黒い家≫、岩井志麻子さんの≪ぼっけえ、きょうてえ≫などがそうでしたが、澤村伊智さんの≪ぼぎわんが、来る≫も、すぐさま異様な物語の展開に引きずり込まれてしまいましたね。
物語としては、古来から語り継がれる化け物(妖怪?)につけ狙われる家族と、その家族を守り、化け物の正体を付きとめようとする人々の奮闘を描いているのですが、多重構造というのか・・・例えば、あるひとの行動について、それぞれのひとの視点で描くことにより、主観的には善意とする行動が、客観的には醜悪な悪意となる・・・といった、人間のこころの在り方に踏み込んでくる恐さがあります。
ひとつの事件が、加害者、被害者、傍観者など、それぞれ立場が異なる人々の主観的な言葉で語られるとき、誰の言うことが真実なのか分からなくなる、という黒沢明監督の≪羅生門≫という映画がありますが、まさに≪ぼぎわんが、来る≫で描かれるのはそういった人間同士のこころのすれ違い(=スキマ)から生じる悲劇なんです。
先述の映画公開記念特番で、子煩悩なイクメンパパを演じる妻夫木聡さんが、「映画の序盤で見せる登場人物の優しい笑顔が、その後の展開で、まったく違う意味合いの笑顔だったことに気付かされる」といった発言をしていましたが、原作に忠実に映画化されているならば、まさしく、この言葉こそが映画の“キモ”を示唆していると思うし、≪告白≫や≪渇き≫などの作品で、人間の心の闇を描いてきた中島監督がこのホラー小説の映画化を決意した理由でもあるんじゃないかな、と思います。
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映画公開前なので、ネタバレにならない程度にネタばらしをすると、原作小説のタイトルは≪ぼぎわんが、来る≫で、映画のタイトルからは“ぼぎわん”という呼称は削り取られていますし、トレーラーなどでは、登場人物の台詞の、この呼称の部分にノイズが入り、聞き取れない演出になっています。
映画本編でも、この呼称にノイズを入れる演出がとられているのかは分かりませんが、化け物に特定の呼称を与えないことで観客の不安感を煽る演出とするならば、それも“アリ”なのかも知れません。中島監督作品らしいと言えばらしいですし。
でも原作小説では、この“ぼぎわん”と言う呼称に重要な意味合いを持たせています。
“ぼぎわん”とは何なのか・・・?
ヒントは、多くのひとが知っているであろう西洋のお化けの呼称・・・かつて日本に海を渡って宣教師とともに上陸した“それ”の呼称が現代に至るまでにカタチを変えて語り継がれたもの・・・

そして映画の登場人物のキャラ設定にも惑わされてはいけませんね、きっと。
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先述の、妻夫木聡氏さん演ずる“子煩悩で理想的なイクメンパパ”、黒木華さん演ずる“育児に疲れたお悩みママ”はもとより過激なビジュアルが衝撃的な小松菜奈さん演ずるキャバ嬢霊媒師が実は・・・なんて、思わず涙する場面も原作にはありますし・・・ああヤバいネタばれしちゃいそうだ(笑)。
最も、まだ原作を完読したわけじゃないので、断定的なことは言えませんが、いずれにしても一筋縄ではいかない物語であることは確かです。
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とにかく、アンタッチャブル、ザキヤマの「来る~っ」っていうふざけたテレビCMもツボにハマった私としては、12月7日、劇場に駆けつけること間違いないですね。



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