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1973年。
当時、小学生だった私は、1本の映画に大変な衝撃を受けました。
正確には、テレビで放送された新作映画の特番かなんかで観たワンシーンに度肝を抜かれたのですが。
そのワンシーンとは、天地逆さまになったパーティ会場で、天井と化した床に固定されたテーブルにしがみついていた男性が悲鳴とともにその手を離した途端、遥か下方の巨大な照明に向かって真っ逆さま・・・米粒のように小さくなった男性は照明に激突。火花を散らし激しく明滅する照明・・・
天地逆転という異様なシチュエーションもさることながら、その一連の衝撃シーンはすべてワンカット撮影。
「な、何?この映画・・・っていうか本当に落下してたよね・・・ってことは演じたひと、死んじゃったってこと・・・?」
それまで、SF映画とか怪獣映画とかしか観てなくて、常識を超越したシーンはすべて特殊撮影だと思っていた私の価値観は完全に打ち砕かれたわけです。
もう、とにかく衝撃的で、次の日、学校に行くなり映画に詳しい友達に尋ねたところ、「それ、≪ポセイドン・アドベンチャー≫というアメリカ映画だよ」と。
「アメリカって凄え・・・ハリウッド映画って、わや(かなり=津軽弁)凄え・・・」
カルチャーショックに身震いする二人の田舎の小学生・・・それが私の人生を変えた映画、≪ポセイドン・アドベンチャー≫との出会いです。
ポセイドン・アドベンチャー
ポスター、チラシ、弘前スカラ座画報。
映画のスペクタクルシーンをグラフィック化したデザインが秀逸です。

ポセイドン・アドベンチャー
前売り半券
≪ポセイドン・アドベンチャー≫って確か文部省推薦映画だったんですよね。

ポセイドン・アドベンチャー
パンフレット、サウンドトラックEP盤
主題歌の≪モーニング・アフター≫はアカデミー賞を受賞しました。

≪ポセイドン・アドベンチャー≫に“大人の映画”への“筆下ろし”をしてもらった(笑)ひとは意外と多いらしく、映画評論家の町山智浩さんも≪映画秘宝≫でその影響を語っていましたね。
日本での公開は、1973年(昭和48年)の3月17日ですから、いまから45年前。
半世紀近く前の作品なんですが、「このてのジャンルものでは≪ポセイドン・アドベンチャー≫を超える作品は無いんじゃないかな・・・」と、最近、観直して痛感したわけです。
ポセイドン・アドベンチャー
≪ポセイドン・アドベンチャー≫、≪ポセイドン・アドベンチャー2≫、≪ポセイドン(リメイク作品)≫のDVDソフト。
2匹目のドジョウを狙った≪ポセイドン・アドベンチャー2≫は大コケしましたね。
リメイクした≪ポセイドン≫は大味な作品でトホホでした。
ポセイドン・アドベンチャー
8mmフィルム。
ビデオソフトが発売される前は8mmフィルムで何度も観直しましたね。

≪ポセイドン・アドベンチャー≫が公開された1970年代前半と言えば、アメリカン・ニューシネマ全盛の頃。
≪真夜中のカーボーイ≫とか≪スケアクロウ≫などの作品に象徴されるように、スタジオ撮影を否定し、低予算で、若者のカウンターカルチャー(反体制的)な思想や行動を描くといった、寺山修司の言葉を借りるならば“書を捨てよ、町へ出よう”的な製作スタイルが主流だったわけです。
巨費を投じてスタジオに絢爛豪華なセットを組んで映画を製作する、というスタイルはもはや時代遅れと言われていたこの時代に突如、現れたのが、スタジオ撮影全開のスペクタクル超大作≪ポセイドン・アドベンチャー≫だったのです。
そのため、ポール・ギャリコの原作に惚れ込み、製作を切望した本作のプロデューサー、アーウィン・アレンは、製作費の調達にとても苦労したようですね。
ポセイドン・アドベンチャー
原作本のハードカバーと文庫本。
ハードカバーは、私が生まれて初めてチャレンジした長編翻訳小説でした。

時代遅れの映画だったはずの≪ポセイドン・アドベンチャー≫は予想外の大ヒット。
この大ヒットを機にハリウッド映画が大作主義に逆戻りしたため、≪ポセイドン・アドベンチャー≫は、アメリカン・ニューシネマを殺した張本人の汚名を着せられる羽目に・・・
でも実は、≪ポセイドン・アドベンチャー≫にはアメリカン・ニューシネマの影響があちらこちらに。
まずはジーン・ハックマンが演じたスコット牧師のキャラ設定。
ポセイドン・アドベンチャー
型破りなスコット牧師。

「神は努力を惜しむ人間に救いの手を差し伸べはしない。神に祈るだけでは人生は切り開けない」と、無神論にも近い説教を力説するカウンターカルチャーな神父がヒーローとして描かれているわけですから。
そういえば、劇中のスコット神父の言葉、どこかで似たような言葉を聴いたことがあるな、と思ったら、ジョン・F・ケネディーの1961年の大統領就任演説でしたね。
「国があなたのために何をしてくれるかではなく、あなたが国のために何ができるかを考えようではありませんか」というケネディーの演説要旨の“国”を“神”に変えれば、スコット神父が言いたかったことにニュアンスが近いのかな、と。
無神論者寄りの神父といえば、≪ポセイドン・アドベンチャー≫の翌年公開された≪エクソシスト≫のカラス神父が思い出されますが、ベトナム戦争が泥沼化していたこの時代、神の不在にかかる問題提起がアメリカ人の精神的ゆらぎを如実に表わしているとするならば、≪ポセイドン・アドベンチャー≫は極めてアメリカン・ニューシネマ的な大作映画と言えるのではないでしょうか。
加えて、資本主義の象徴である豪華客船が転覆し、富や名声が全く通用しなくなってしまった閉塞的空間から、生命や自由という人間の本質的な存在意義を求めて旅(脱出)をするというテーマはアメリカン・ニューシネマに通底するそれではないかと。

先日、寺山修司の評論集≪地平線のパロール≫(1974年)を読んでいたら、寺山が≪ポセイドン・アドベンチャー≫の批評をしていて驚きました。
地平線のパロール 寺山修司
私が、寺山の言葉で特にこころに強く残っている「いつも死ぬのは他人」という言葉の出自が≪ポセイドン・アドベンチャー≫の評論文だったということに殊更驚いたというわけです。
結果的に集団の救済者が、医者でも、警察官でもなく、牧師だったことの意味に言及する寺山修司の≪ポセイドン・アドベンチャー≫論に興味のある方は一読を。

ポセイドン・アドベンチャー クイーンメリー号
ポセイドン号のモデルとなったクイーン・メリー号のプラモデル(レベル社)
このプラモデルで転覆したポセイドン号を作る予定なんだけど、いまだ作製に踏み切れず。
≪ポセイドン・アドベンチャー≫が月曜ロードショーで初オンエアされたとき、コメンテーターの荻昌弘さんの後ろにあったポセイドン号のディスプレイモデルが欲しくてたまらなかったな・・・確か、視聴者1名にプレゼントされたはずだけど。
ポセイドン・アドベンチャー セプテントリオン
≪ポセイドン・アドベンチャー≫のシチュエーションをテレビゲーム化した≪セプテントリオン≫。
映画で描かれた脱出のスリルがゲームで味わえます。
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年も明けて2週間ほど過ぎちゃいました。
改めまして、今年もよろしくお願いいたします。

まずは昨年末から新年にかけての近況を。
年末といえば大掃除やら年越しの準備やらでショッピングに出掛けることが多いのですが、近所のスーパーマーケットで見つけて思わず歓喜の声を漏らしちゃったのがこれ。
ゴジラ真撃大全
BANDAIから発売された食玩、≪ゴジラ真撃大全≫です。
≪シン・ゴジラ≫から第4形態と第2形態、≪GODZILLA 怪獣惑星≫からアニメ版ゴジラ、あとはヘドラとメカ・ゴジラという全5種類のラインナップですが、私が欲しいのは言わずもがな≪シン・ゴジラ≫の第4形態。
チビッ子がたむろする食玩コーナーで、いい大人が必死になって探す姿はさすがにドン引きですが・・・苦労の甲斐あってようやく1箱見つけました!
やっぱ、≪シン・ゴジラ≫の第4形態は一番人気らしく見かけたのはこの日だけ。
入手できてラッキーでした。

ラッキーだったもうひとつの入手物は古本屋巡りで思いがけず入手したこのポストカード。
江戸川乱歩全集 挿絵ポストカード
初めて訪れた古本屋さんで講談社の≪江戸川乱歩全集≫を見かけ、その価格がワンコイン以下だったので、数ある全集の中から一番状態が良さそうな≪孤島の島≫1冊を手にしてレジへ。
家に帰ってページをパラパラとめくったら赤い封筒が床に落ちました。
「なんだ、これ?」
封筒の中身を覗いたらこのポストカードが入っていたという次第です。
講談社が発行した≪江戸川乱歩全集≫の初版本の特典として封入された挿絵のポストカードのようなのですが、挿絵を描いたのはかの横尾忠則大先生です。
もう嬉しくて小躍りしちゃいました(笑)。
これだから古本屋巡りは止められないんですよね。

正月休み中に私を楽しませてくれた書籍は、この4冊でした。
読書
≪地平線の相談≫は、細野晴臣さんとその細野さんを師と仰ぐ星野源さんの対談(相談?)集。
ゆるくて、時にどうでもいいような(笑)相談にほっこり。就寝前の心地よい時間を演出してくれました。
≪妻に捧げた1778話≫は、バラエティ番組で芸人のカズ・レーザーさんが紹介した書籍で、日本を代表するSF作家の眉村卓さんが余命いくばくもない奥様のために毎日1話の短編作品を書き続けたエピソードを綴ったもの。
不覚にも枕を涙で濡らしちゃいました・・・
≪ライオンはなぜ「人喰い」になったか≫は以前、本ブログの≪衝撃の実話!動物パニック映画特集≫で書いた映画≪ゴースト&ダークネス≫の元ネタになったツァボの人喰いライオン事件の全容が書かれた書籍でとても面白かったですね。
≪ゴースト&ダークネス≫は、実話の映画化作品の宿命として、かなり脚色されているのですが、それでも1890年代後半にケニアのツァボ地区で実際に発生したライオン襲撃事件は異様で恐ろしい・・・恐ろしすぎる!
この書籍で分かったツァボの人喰いライオン事件の真実はいつかまた本ブログで書きたいと思います。
つい最近読み終えた≪貸本屋のぼくはマンガに夢中だった≫は、かつて東京都内でご家族が≪ゆたか書房≫という貸本屋を営んでいた長谷川裕さんの回想録です。
ちょうど私が幼少時代を過ごした1960年代の東京が舞台となっており、その頃の東京の街並や文化が感じ取れるとても興味深い書籍でした。
1960年代当時、私が生まれ育った街には貸本屋さんは無かったと記憶していますが、貸本屋の隆盛から衰退に至る経緯は、1980年代のレンタルビデオブームと酷似していますね。
とりわけ貸本屋の黎明期のエピソードや経営にかかるノウハウなんかは、カルト映画と持て囃される映画ソフトを求めてレンタルビデオショップを渡り歩いていた当時の私がショップ店員などから見聞きした内容を思い起こさせ、とても懐かしく思えました。

最後は、懐かしさついでに、先頃、久々に観た思い出の映画について。
作品名は≪最後の航海≫。
最後の航海
1960年に公開されたアメリカ映画で、海洋パニック映画の名作として知られる作品です。
物語は、ボイラーの爆発事故により巨大な縦穴が空き沈没が迫る豪華客船から乗員・乗客が必死の脱出を図るというもの。
感のよい方はお分かりかと思いますが、1972年に公開され大ヒットした≪ポセイドン・アドベンチャー≫にとてもよく似た設定の本作は、恐らく1912年のタイタニックの遭難事故にヒントを得て製作されたであろうパニック映画なのです。
なぜかビデオ化もDVD化もされていない作品なのですが、幸運にも私は、かれこれ35年程前にテレビ放送されたものを録画してあったので、時々、思い出しては観返しているというわけです。
この映画の見どころは、フランスの豪華客船イル・ド・フランス号が解体のため日本に停泊していたため、この船体を使用。シーンに応じて本物の船を解体しながら撮影したため、ミニチュアなどでは出せない迫力に満ちた作品に仕上がっている点に尽きると思います。
日本で撮影されたため、乗客が右往左往するパニックシーンなんかで、やたらと日本人が多いのはご愛敬かな。
主演のロバート・スタックが、船のド真ん中に空いた奈落の底で宙ぶらりんになる娘や、崩れた鉄材に足を挟まれ避難できない妻を救出する展開にハラハラドキドキし、危険を顧みず人命救助に努める黒人機関士の活躍に感動し涙するヒューマニズムに溢れる作品でもあります。
最後の航海
原題は≪THE LAST VOYAGE≫。直訳の邦題ですね。
最後の航海
客室に空いた“奈落の底”から幼いわが娘を救うため奮闘するロバート・スタック(TVドラマ≪アンタッチャブル≫で有名ですね。)
最後の航海
急激に浸水する機関室。沈没まであと僅か!
最後の航海
崩れた鉄材に足を挟まれた妻の救出は困難・・・さあ、どうする!
最後の航海
崩落する煙突!船がモノホン故に凄い迫力。
最後の航海
押し迫る海水。妻の救出は無理か・・・
最後の航海
妻の自由を奪っていた鉄材を焼き切るためのバーナー用ボンベがようやく届き、救出成功!
最後の航海
沈没までの時間はあと僅か・・・
最後の航海
結末はいかに・・・!

誌上ロードショーとまではいきませんが、少しは≪最後の航海≫の面白さが伝わったでしょうか。
半世紀以上前のCGの無い時代に製作された作品ですが、スペクタクルシーンの迫力は申し分なく、やっぱり映画は良いシナリオと映像作りにかかる創意工夫が大事なんだな、と改めて思う私なのです。


2017年も残すところあと1週間。
というわけで、今日はクリスマス・イヴ。
月並みですが1年の経つのが早い・・・早すぎる。
歳をとったら尚更そう感じるようになったような気がします。

2017年の締めくくりの映画として観てまいりました≪スターウォーズ 最後のジェダイ≫。
スターウォーズ最後のジェダイ
いやぁ~面白かったですね。
いよいよマーク・ハミル演ずるルーク・スカイウォーカーも登場し、往年の≪スターウォーズ≫ファンは涙腺緩みっぱなしだったんじゃないでしょうか。
かく言う私も、レイア姫の登場シーンはもちろんのこと、マペット(操り人形)で再現されたヨーダやエンドロールのフランク・オズ(ヨーダの操演者)のクレジットにまで鼻の奥がジンジンする始末でした(笑)。
主要なシーンで赤を強調した映像作りも印象的でした。
レイとカイロ・レンが力を合わせてスノーク最高指導者やその側近と闘う宮殿のシーンの目に焼き付くような赤や、クライマックスの純白の砂の下から現れる血のように赤い色をした地盤の惑星など、ジェダイの血縁を核とした物語の視覚的表現が功を奏していたように思えます。
スターウォーズ最後のジェダイ

≪スターウォーズ≫シリーズも恐らく本作をもって私たちのような往年のファンへのサービスはお終いなんでしょうね。
レイア姫を演じたキャリー・フィッシャーの死や本作のエンディングからそのことを強く感じます。
でも、もういいじゃないですか。
だって40年間も楽しませてもらったんですから。
私が1977年の最初の作品、≪エピソードⅣ 新たなる希望≫を劇場で観たのが高校生。その後、大学生、成人と、人生の節目節目で新作を観続け、1999年の≪ファントム・メナス≫公開時には、まだ幼かった自分の子どもを連れて観賞・・・その子どももいまは社会人ですから。親子2代にわたって新作の公開を待ちわび、その感動を共有し、家庭での話題に華を咲かせることのできた映画なんてホント≪スターウォーズ≫シリーズだけですから。
きっと、これからの≪スターウォーズ≫シリーズは、これからの時代を生きるひとたちが共有できる物語を紡いでいくのでしょう。
そういう意味では前述の血縁を象徴したであろう≪スターウォーズ 最後のジェダイ≫のイメージカラーの赤は、往年のファンから新しい世代のファンへの継承をも意味するのかも知れませんね。

今日はクリスマスイヴということで、私のポータブル・レコードプレイヤーのターンテーブルでは、先ほどからそれらしいレコードが廻っています。
まずは坂本龍一の≪戦場のメリークリスマス≫のオリジナルサウンドトラック盤。
戦場のメリークリスマス
やっぱり、クリスマスといえばこのアルバム。
数ある映画音楽のなかでもこのアルバムの素晴らしさは別格ですね。

お次はTHE POGUESの≪堕ちた天使≫。
ポーグス
このアルバムはしばらく聴いてなかったのですが、今日久しぶりに聴いて、やっぱ名盤だな、と。
特にクリスマスに特化したアルバムではないのですが、収録曲の≪ニューヨークの夢≫という曲がクリスマスソング・・・それも夢破れ人生に疲弊したアイルランド移民の老カップルがクリスマスイヴに罵りあう楽曲になっていて、これが泣ける。
大ヒットした映画≪タイタニック≫でもアイルランドのフォークソングが、貧困の中、ニューヨークに向かう移民の逞しさや経済的格差故に結ばれない切ない恋愛の演出に一役買っていましたが、この≪ニューヨークの夢≫という楽曲では、年老いた二人が、満たされない人生の責任をなすりつけ合い罵りあいながらも、“でも君がいないと自分は・・・”と互いを欲する姿に胸が打たれます。

最後は≪WE WISH YOU A MERRY CHRISTMAS≫。
WE WISH YOU A MERRY CHRISTMAS
1983年にアルファレコードから発売されたコンピレーションアルバムで、細野晴臣、高橋幸宏、立花ハジメ、戸川純、鈴木慶一、大貫妙子等が参加したクリスマスミュージックアルバムです。
収録されているほとんどがオリジナル曲で、どの楽曲も素晴らしいのですが、特に大貫妙子の≪祈り≫と高橋幸宏の≪ドアを開ければ・・・≫が私のお気に入りですね。
特に≪ドアを開ければ・・・≫は、誰しもが子どもの頃に抱いていたクリスマスへの純粋な想いを描いた楽曲で、私もこの曲を聴くたびに、生活は苦しいけれどクリスマスだからと、家族全員で年に1回の外食に出かけた子どもの頃のことを思い出して切なくなります(笑)。

ひとそれぞれのクリスマス。
いまの自分や生活に満足しているひとも、そうでないひとも。
すべての皆さんにとって幸多いクリスマスとなることをお祈りします。




ロードショー公開から随分と時間が経っているというのに、数年おきに無性に観たくなり、関連商品が発売されるとなると、欲しくていてもたってもいられない、そんな映画作品があります。
私にとってのそんな映画作品のひとつがスティーブン・スピルバーグ監督の出世作≪ジョーズ≫なのです。

1980年代、ビデオデッキが普及し家庭で映画が楽しめるという夢のような時代の到来(笑)とともに、即行購入したビデオソフトの1本は勿論≪ジョーズ≫。その後もDVD、ブルーレイ、挙げ句の果てにはデッキも持っていないというのにレーザーディスクに至るまで映像ソフトを購入しまくる始末。
だって、公開数十年の節目節目で特典映像の異なる商品が販売されるんだもん・・・とはマニアにありがちな言い訳だな。
ジョーズ 映像ソフト
恐らく映像ソフトとしては最新のブルーレイ・コレクターズエディションとレーザーディスク版
ジョーズ 関連本
≪ジョーズ≫関連本の数々。劇画本、≪ジョーズ≫劇画ロードショー掲載の月刊少年チャンピオン、原作本、メイキング本、映画雑誌の特集号

そこまで≪ジョーズ≫に拘る理由を突き詰めると、やはりロードショー公開時のファーストインパクトに尽きる。
≪ジョーズ≫の日本公開は、1975年12月ですから、当時、私は中学生。
クラスメート数人で、かつて弘前市にあった≪弘前東宝≫で鑑賞したと記憶しています。
ジョーズ ポスター チラシ
ポスター、パンフレット、チラシ、≪弘前東宝≫ニュース

初鑑賞の感想は・・・
もう「衝撃的」のひと言でしたね。
あの数多の映画館で歓声があがったという伝説のラストシーンを見とどけ、映画館を後にした私たちは、ただただ無言(笑)。
普通ひとりはいそうな、“たいしたことなかったね・・・”なんてネガティヴ発言を漏らす奴もなく、“何だかとんでもなく面白い映画を観ちゃったぞ!”という、興奮を超越した茫然自失状態に全員陥るほどの衝撃だったと記憶しています。
まあ、それほどまでに強烈なファースト・インパクトだったにしろ、人喰い鮫と人間が闘うだけの映画になんでこんなにも魅了されるんでしょうか。
何と言っても、ロードショー公開から41年!。半世紀近い年月が経っているというのに色褪せない魅力って何なんでしょうね。

確かにコンピュータグラフィック全盛のいま観返すと、機械仕掛けの巨大鮫は安っぽく感じるけれど、脚本、演出、役者の演技等々、映画作品を構築するさまざまな要素は全く色褪せませんね。
若干27歳の若造監督だったスピルバーグが、ロバート・ショー、ロイ・シャイダーなどの名優を相手に孤軍奮闘。ひとつ間違えばB級ホラーにもなりかねない作品を緊張感漲る人間ドラマとして成立させたことも驚きです。
台詞に頼らず、映像や役者の佇まいで心情や状況を表現するといった極めて映画的な表現手法も冴えわたってます。
時間省略の手法、カメラワーク、微妙にタイミングをずらしたショックシーンの演出等々、奇跡とも言える総体的完成度の高さが、いまも私の心を掴んで離さないんでしょうね。

と、いうわけで最近、めっきりフィギュアへの興味を失くしてた私ですが、このフィギュアシリーズだけはゲットなわけです。
≪FUNKO≫社の≪ジョーズ≫シリーズです。
ジョーズ フィギュア
ジョーズ フィギュア
予約したのは1年以上前。
ホオジロ鮫のブルースは比較的早期に入手できたのですが、主要人物の御三方のフィギュアが発売延期を繰り返し、ようやく先日、入手できました。

こちらは、青島文化教材社のアメリカンムービィーグラフティシリーズ。
全3種ですが、私は2種のみ所有。
ジョーズ フィギュア

特にお気に入りはこちら。≪No,2 ジョーズアタック ≫
ジョーズ フィギュア

これは以前にも紹介した≪ブルース≫のガレージキット。
ジョーズ ガレージキット

ペガサスホビー社の≪グレート ホワイト シャーク≫を改造して作成した≪ブルース≫。
ジョーズ 自作フィギュア

そして、≪ジョーズ≫といえばこのフィギュア。
≪マクファーレン≫社のデラックスボックスセットです。
ジョーズ フィギュア
映画のクライマックス、クイント(ロバート・ショー)がホオジロ鮫に喰われる衝撃シーンをディオラマ化したもので、劇中で重要な役割を果たした漁船、オルカ号が初めてフィギュア化された記念すべき一品でもあります。
実は、このフィギュアには哀しい思い出があったりします。
2009年5月、家族旅行で宮城県気仙沼市を訪れた際、気仙沼漁港にある≪シャークミュージアム≫のお土産品売り場にこのフィギュアが飾ってあったんです。
このフィギュアは日本未発売。雑誌等で発売されたことは知っていたけど、実物を目にしたのはこの時が初めてでした。
欲しくてたまらず、いっそのことお店のひとに譲ってもらおうかとも思ったけど、売り物じゃないのも明らかだったので、そこは諦めて後日、ネットで探しまくってようやく入手しました。
そして2年後・・・あの震災が発生しました。
気仙沼漁港を襲う津波のニュース映像には、≪シャークミュージアム≫が津波に飲み込まれる衝撃的な場面が・・・
フカヒレ料理などの美味しい食事や心のこもったサービスを提供してくれた旅館の女将さん、気仙沼の趣きのある街並み、活気のある市場の光景・・・気仙沼で過ごしたとても幸せな時間をこのフィギュアを見るたびに思い出すのです。


2016年ももうすぐお終いだな・・・なんて思っていたら、哀しいニュースが・・・
レイア姫ことキャリー・フィッシャーが亡くなってしまった・・・
レイア姫 キャリー・フィッシャー
≪スターウォーズ フォースの覚醒≫のキャリー・フィッシャー。素敵に年齢を重ねておりました。

60歳だなんてまだ若すぎる。
つい先日、≪ローグワン スターウォーズ・ストーリー≫を観たばかりだというのに。
ブリトニー・スピアーズの事故死報道が実はハッキングによる誤報だったってオチ、キャリー・フィッシャーには無いのかな。
加えて、7年前のクリスマス・イヴに遡って、≪フジファブリック≫の志村正彦さんのオチだったら尚更いいのに・・・
なんか年末って、神様がその年の理不尽な帳尻合わせでもしているんじゃないか、と思いたくなるほど哀しいニュースが唐突に飛び込んできますよね。

≪ローグワン スターウォーズ・ストーリー≫は、多くの人たちがレビューで書いているけど、ホント泣ける物語でした。
ローグワン
スピンオフ作品故の配慮か、オープニングにジョン・ウィリアムスのあの壮大なテーマ曲はなく、“あれ、あれ?”って不安感を抱いたのも実は杞憂。
テンポ良し、登場キャラ良し、感情を揺さぶるストーリー展開良し、という大満足な作品でした。
とりわけロボット好きの私としては、新キャラの≪K-2SO≫にハマりましたね。
ローグワン
どことなく古めかしいデザインのこのロボット、無骨で無愛想・・・でもこの映画の見どころを一気にかっさらう涙、涙の活躍を終盤魅せてくれます。
ローグワン
映画観賞後に速攻で購入したボトルキャップとゲーセンで苦戦、入手したフィギュア。

続々と登場するダースベーダーやスノーウォーカーなどのお馴染みキャラが往年のスターウォーズファンの涙腺を刺激します。
モフ・ターキン提督なんて、≪スターウォーズ エピソードⅣ 新たなる希望≫の名優ピーター・カッシングにクリソツな役者さんを起用しててビックリです。
≪スターウォーズ エピソードⅣ 新たなる希望≫の前日譚の≪ローグワン≫ですから、当然、レイア姫も登場します。
あの映画史を変えた名作のオープニングに繋がるラストシーンで、若き日のキャリー・フィッシャーの姿がスクリーンに映し出されたときに流したのは感動の涙だったのですが、まさか数日後に惜別の涙に変わろうとは・・・
ご冥福をお祈りいたします。

2016年を改めて振り返ると、≪シンゴジラ≫、≪ローグワン≫と、映画ファンにはたまらないシリーズ作品が相次いで公開され、いずれも高いクオリティで満足させてくれたという意味では楽しい1年でした。
私のコレクション癖に関していえば、映画コミカライズ作品の収集地獄にハマり、今年1年の猛ダッシュで≪月刊・別冊・増刊少年チャンピオン≫の≪劇画ロードショー≫掲載号36冊の収集を達成。収集2年目にして少しはコンプリートの薄明かりが見え始めたといったところでしょうか。
劇画ロードショー
加えて下半期は、映画秘宝別冊の≪悪趣味ビデオ聖書(バイブル)≫に触発され、悪趣味ビデオの収集に明け暮れる毎日。
悪趣味ビデオ聖書
漬物樽の重石に使えるほどに分厚く重い1冊≪悪趣味ビデオ聖書(バイブル)≫。

自分が生きている間にすべて観尽くすことができるのか、というほどのビデオ(それも悪趣味!)に埋もれております(笑)。
≪劇画ロードショー≫といい、≪悪趣味ビデオ≫といい、映画の裏歴史のレガシーばかりを収集し続ける私に未来はあるのでしょうか(笑)。
悪趣味ビデオ コレクション
悪趣味ビデオコレクションのほんの一部。

そんなこんなで2016年もお終い。
この1年、私のくだらないブログを読んでくれたみなさんに感謝申し上げ、みなさんの2017年のご多幸を心からお祈りいたします。











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