
映画コミカライズ作品の全貌がいま明らかに!!

巣籠り生活をしていると、どうしても情報のインプットが希薄になり結果的にアウトプットも疎かになるものですね。
桜が観たいのはやまやまだけど桜の名所の多くは観光地。やっぱり人混みが気になる。
“密”覚悟で出かければよいのだろうけど、やっぱり二の足を踏んじゃう臆病な私・・・
結果、時期を逸してしまい気がつけば5月も下旬・・・桜なんてとうに散ってしまったじゃないか。

弘前さくら祭りを諦め、知人からいただいた小枝の桜を愛でました。
そんなわけで新たな情報のインプットもままならず、ブログの更新というアウトプット作業もすっかり滞ってしまいどうしたものかと悩んでいた矢先に親しくさせていただいている青森市内の古書店《古書 思い出の歴史》のご主人から、5月9日まで青森県立美術館で開催の《富野由悠季展》のチケットをいただきました。
富野由悠季といえばいまや世界的に評価される日本のロボットアニメというジャンルを確立した立役者だけど、いまいちアニメに疎い私は興味はあったもののこの企画展も行こうか行くまいか正直、迷っていたわけです。
でも、足を運んで良かった。


アニメに疎いとはいうものの《機動戦士ガンダム》はしっかり観てましたし、あまりの人気故に品薄だったガンプラを血眼になって探した第一期ガンプラ世代でもありますので懐かしさもあり十分に楽しめました。
それにしても展示物の多さに驚きましたね。
作品の設定資料、宣材、セル画、プラモデルなどの立体造形物等々時間がいくらあっても足りないほどのボリュウムでした。
なかでも1972年に富野由悠季が手掛けた《海のトリトン》はとりわけ大好きなアニメ作品なので、関連資料を食い入るように観てしまいました。因みに《海のトリトン》の主題歌はオープニング曲、エンディング曲ともに今でも空で歌えます(笑)。
富野由悠季が演出を手がけた作品は、それまでのステレオタイプな正義と悪という概念に疑問を投げかける画期的なものだったこともこの企画展で理解できました。
時節柄、どうしても出不精になりがちですが、時には外出してさまざまな情報をインプットすることも必要ですね。
私を外に引っ張り出してくれた《古書 思い出の歴史》のご主人に心から感謝です。
度々、本ブログでも取り上げてきた《劇画ロードショー》。
改めて説明すると、主に1970年代、漫画雑誌への掲載や付録本などの形態で、これからロードショー公開される新作映画のコミカライズ(漫画化)作品が発表されており、それらを総じて《劇画ロードショー》(或いは《誌上ロードショー》)と呼称しています。
現在ではほとんど絶滅状態の《劇画ロードショー》には(主に当時を知る)熱烈なファンがおり、近年、これらのファンが版権などの理由により絶版化している作品の収集や研究に努めているという実態があります。
私なんかもその中のひとりなのですが、さすがに能力不足故に研究にまでは至らず、財布の中身と相談しながら絶滅危惧種と化したこれらの作品の収集に甘んじているというわけです。
(そんな私を含む)《劇画ロードショー》ファンに朗報です。
2015年にこれらの映画コミカライズ作品にかかる研究本《劇画ロードショーの世界》を出版されたインディペンデント通信社南町支局さんがこの度、改訂版として《劇画ロードショーの世界 昭和編》を上梓されました。

前作と改定版《劇画ロードショーの世界 昭和編》
前作も内容、ボリュウムともに素晴らしい完成度でしたが、今回の改定版はその比じゃない。
ページ数も前作の倍以上の200ページを超える大作に仕上がっています。

資料として読み応えも充分。

≪少年チャンピオン≫等の次号の掲載予告見出しまで網羅。
一般的に《劇画ロードショー》の掲載雑誌として認知されている秋田書店発行の《少年チャンピオン》や《プレイコミック》はもちろんのこと、他の雑誌等に掲載された作品や付録本・単行本として発表されたものまで網羅しており、「映画コミカライズの世界ってこんなにも広大だったんだ・・・」と、驚きを通り越して感動してしまいましたね。


≪まんが王≫に単発掲載された≪恐竜グワンジ≫。
以前私も、1970年代に連載の形態がとられた《少年チャンピオン》や《プレイコミック》といった映画コミカライズ作品以外の実態調査を行ったことがありますが、単発で発表されたこれらの作品は掲載雑誌はもとより掲載時期も不明瞭な上、やはり版権の問題があるらしくその多くがコミックス化もされていなければ情報も公開されてもおらず、万策尽きて諦めた経験があります。
しかしながら、インディペンデント通信社南町支局さんは諦めずに調べ上げ、明治大学の現代マンガ図書館でそれらの作品を発掘し《劇画ロードショーの世界 昭和編》にまとめてくれたのです。

怪獣映画のコミカライズなども漏れなく掲載。
《劇画ロードショーの世界 昭和編》の編纂作業においてインディペンデント通信社南町支局さんは映画コミカライズ作品に関連する資料の収集に並々ならぬ尽力を注ぎ、その過程において私が過去にブログにしたためた記事にまで目を通して下さり、そのお礼にと非売品である研究本を完成とともに進呈していただきました。
研究本の巻末には、私のブログに対する感謝のコメントまでしたためていただき、こちらこそ感謝この上ない気持ちです。
前述のとおり《劇画ロードショーの世界 昭和編》は、私家版であるため非売品のようですが、昭和の時代を象徴するサブカルチャーの至宝をまとめあげた本書が一般的に入手困難というのは残念でなりません。
しかしながらインディペンデント通信社南町支局さんもなんらかの方法でこの研究成果を発表したいという思いをお持ちのようなので、興味のある方はいずれ目にする機会があるかも知れません。
またインディペンデント通信社南町支局さんは、これを機に映画コミカライズ作品への再評価が高まり、出版社が権利問題を克服し再び刊行してくれることを願っているということでしたので、ともすると《劇画ロードショー》が再び多くの人々の目に触れるときが訪れるかもしれません。
その日を心待ちにしたいと思います。
【映画コミカライズ作品コレクション】 (掲載雑誌、付録本、単行本)
※私が所有しているほんの一部の作品群であり、果てしなく広がる映画コミカライズ作品の魅力を伝える一助になれば幸いです。

名匠、黒澤明の映画のコミカライズは単行本として発売されました。

塚本晋也監督作品≪鉄男≫もコミカライズされています。

ブルース・リー出演映画のコミカライズは雑誌の掲載や単行本など多岐にわたります。
さいとうたかをが作画をてがけた007シリーズは、映画というよりイアン・フレミングの原作小説のコミカライズ。

≪ベン・ハー≫や≪猿の惑星≫など名作映画は単行本として発売されました。パニック映画≪カサンドラ・クロス≫のコミカライズは、映画雑誌≪ロードショー≫に掲載されました。

≪恐竜グワンジ≫掲載の≪まんが王≫。≪ジャワの東≫は≪少年サンデー≫に短期連載されました。

大人をターゲットとした任侠映画≪緋牡丹博徒≫。怪獣映画や妖怪映画は子ども人気が高かった。

映画コミカライズ作品の黎明期を彩った怪獣映画の数々。

東宝映画≪モスラ≫は、雑誌掲載と付録本の前・後編スタイルという珍しい形態だった。

≪マタンゴ≫掲載の≪少年≫。≪大魔神逆襲≫掲載の≪少年キング≫などなど。

漫画界の大御所、楳図かずお先生が手がけた≪エクソシスト≫など。

映画コミカライズ作品掲載の≪少年チャンピオン≫の収集も、あと1冊でコンプリートと思っていたら、インディペンデント通信社南町支局さんのこの度の研究本で、そんな甘いものじゃないことが判明しました(泣)。コンプリートの道は険しい。
以上、とかく心が塞ぎがちな自粛生活のなかでも、ひととの繋がりに感謝する機会をいただけた嬉しい報告でした。
【インディペンデント通信社南町支局】
※現在ブログの更新はされていないようですが、インディペンデント通信社南町支局さんのツイッターにリンクできるようです。
↓
http://m3ree.blog52.fc2.com/
桜が観たいのはやまやまだけど桜の名所の多くは観光地。やっぱり人混みが気になる。
“密”覚悟で出かければよいのだろうけど、やっぱり二の足を踏んじゃう臆病な私・・・
結果、時期を逸してしまい気がつけば5月も下旬・・・桜なんてとうに散ってしまったじゃないか。

弘前さくら祭りを諦め、知人からいただいた小枝の桜を愛でました。
そんなわけで新たな情報のインプットもままならず、ブログの更新というアウトプット作業もすっかり滞ってしまいどうしたものかと悩んでいた矢先に親しくさせていただいている青森市内の古書店《古書 思い出の歴史》のご主人から、5月9日まで青森県立美術館で開催の《富野由悠季展》のチケットをいただきました。
富野由悠季といえばいまや世界的に評価される日本のロボットアニメというジャンルを確立した立役者だけど、いまいちアニメに疎い私は興味はあったもののこの企画展も行こうか行くまいか正直、迷っていたわけです。
でも、足を運んで良かった。


アニメに疎いとはいうものの《機動戦士ガンダム》はしっかり観てましたし、あまりの人気故に品薄だったガンプラを血眼になって探した第一期ガンプラ世代でもありますので懐かしさもあり十分に楽しめました。
それにしても展示物の多さに驚きましたね。
作品の設定資料、宣材、セル画、プラモデルなどの立体造形物等々時間がいくらあっても足りないほどのボリュウムでした。
なかでも1972年に富野由悠季が手掛けた《海のトリトン》はとりわけ大好きなアニメ作品なので、関連資料を食い入るように観てしまいました。因みに《海のトリトン》の主題歌はオープニング曲、エンディング曲ともに今でも空で歌えます(笑)。
富野由悠季が演出を手がけた作品は、それまでのステレオタイプな正義と悪という概念に疑問を投げかける画期的なものだったこともこの企画展で理解できました。
時節柄、どうしても出不精になりがちですが、時には外出してさまざまな情報をインプットすることも必要ですね。
私を外に引っ張り出してくれた《古書 思い出の歴史》のご主人に心から感謝です。
度々、本ブログでも取り上げてきた《劇画ロードショー》。
改めて説明すると、主に1970年代、漫画雑誌への掲載や付録本などの形態で、これからロードショー公開される新作映画のコミカライズ(漫画化)作品が発表されており、それらを総じて《劇画ロードショー》(或いは《誌上ロードショー》)と呼称しています。
現在ではほとんど絶滅状態の《劇画ロードショー》には(主に当時を知る)熱烈なファンがおり、近年、これらのファンが版権などの理由により絶版化している作品の収集や研究に努めているという実態があります。
私なんかもその中のひとりなのですが、さすがに能力不足故に研究にまでは至らず、財布の中身と相談しながら絶滅危惧種と化したこれらの作品の収集に甘んじているというわけです。
(そんな私を含む)《劇画ロードショー》ファンに朗報です。
2015年にこれらの映画コミカライズ作品にかかる研究本《劇画ロードショーの世界》を出版されたインディペンデント通信社南町支局さんがこの度、改訂版として《劇画ロードショーの世界 昭和編》を上梓されました。

前作と改定版《劇画ロードショーの世界 昭和編》
前作も内容、ボリュウムともに素晴らしい完成度でしたが、今回の改定版はその比じゃない。
ページ数も前作の倍以上の200ページを超える大作に仕上がっています。

資料として読み応えも充分。

≪少年チャンピオン≫等の次号の掲載予告見出しまで網羅。
一般的に《劇画ロードショー》の掲載雑誌として認知されている秋田書店発行の《少年チャンピオン》や《プレイコミック》はもちろんのこと、他の雑誌等に掲載された作品や付録本・単行本として発表されたものまで網羅しており、「映画コミカライズの世界ってこんなにも広大だったんだ・・・」と、驚きを通り越して感動してしまいましたね。


≪まんが王≫に単発掲載された≪恐竜グワンジ≫。
以前私も、1970年代に連載の形態がとられた《少年チャンピオン》や《プレイコミック》といった映画コミカライズ作品以外の実態調査を行ったことがありますが、単発で発表されたこれらの作品は掲載雑誌はもとより掲載時期も不明瞭な上、やはり版権の問題があるらしくその多くがコミックス化もされていなければ情報も公開されてもおらず、万策尽きて諦めた経験があります。
しかしながら、インディペンデント通信社南町支局さんは諦めずに調べ上げ、明治大学の現代マンガ図書館でそれらの作品を発掘し《劇画ロードショーの世界 昭和編》にまとめてくれたのです。

怪獣映画のコミカライズなども漏れなく掲載。
《劇画ロードショーの世界 昭和編》の編纂作業においてインディペンデント通信社南町支局さんは映画コミカライズ作品に関連する資料の収集に並々ならぬ尽力を注ぎ、その過程において私が過去にブログにしたためた記事にまで目を通して下さり、そのお礼にと非売品である研究本を完成とともに進呈していただきました。
研究本の巻末には、私のブログに対する感謝のコメントまでしたためていただき、こちらこそ感謝この上ない気持ちです。
前述のとおり《劇画ロードショーの世界 昭和編》は、私家版であるため非売品のようですが、昭和の時代を象徴するサブカルチャーの至宝をまとめあげた本書が一般的に入手困難というのは残念でなりません。
しかしながらインディペンデント通信社南町支局さんもなんらかの方法でこの研究成果を発表したいという思いをお持ちのようなので、興味のある方はいずれ目にする機会があるかも知れません。
またインディペンデント通信社南町支局さんは、これを機に映画コミカライズ作品への再評価が高まり、出版社が権利問題を克服し再び刊行してくれることを願っているということでしたので、ともすると《劇画ロードショー》が再び多くの人々の目に触れるときが訪れるかもしれません。
その日を心待ちにしたいと思います。
【映画コミカライズ作品コレクション】 (掲載雑誌、付録本、単行本)
※私が所有しているほんの一部の作品群であり、果てしなく広がる映画コミカライズ作品の魅力を伝える一助になれば幸いです。

名匠、黒澤明の映画のコミカライズは単行本として発売されました。

塚本晋也監督作品≪鉄男≫もコミカライズされています。

ブルース・リー出演映画のコミカライズは雑誌の掲載や単行本など多岐にわたります。

さいとうたかをが作画をてがけた007シリーズは、映画というよりイアン・フレミングの原作小説のコミカライズ。

≪ベン・ハー≫や≪猿の惑星≫など名作映画は単行本として発売されました。パニック映画≪カサンドラ・クロス≫のコミカライズは、映画雑誌≪ロードショー≫に掲載されました。

≪恐竜グワンジ≫掲載の≪まんが王≫。≪ジャワの東≫は≪少年サンデー≫に短期連載されました。

大人をターゲットとした任侠映画≪緋牡丹博徒≫。怪獣映画や妖怪映画は子ども人気が高かった。

映画コミカライズ作品の黎明期を彩った怪獣映画の数々。

東宝映画≪モスラ≫は、雑誌掲載と付録本の前・後編スタイルという珍しい形態だった。

≪マタンゴ≫掲載の≪少年≫。≪大魔神逆襲≫掲載の≪少年キング≫などなど。

漫画界の大御所、楳図かずお先生が手がけた≪エクソシスト≫など。

映画コミカライズ作品掲載の≪少年チャンピオン≫の収集も、あと1冊でコンプリートと思っていたら、インディペンデント通信社南町支局さんのこの度の研究本で、そんな甘いものじゃないことが判明しました(泣)。コンプリートの道は険しい。
以上、とかく心が塞ぎがちな自粛生活のなかでも、ひととの繋がりに感謝する機会をいただけた嬉しい報告でした。
【インディペンデント通信社南町支局】
※現在ブログの更新はされていないようですが、インディペンデント通信社南町支局さんのツイッターにリンクできるようです。
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